2005年08月29日(月) |
さおだけ屋の実態に迫る…声をかけてみた |
今日、資料を探しに家を出ようとしたら、 偶然にも、下の道路から、
「さおや〜、さおだけ〜、2本1000円で、 お届けしま〜す。お気軽に声をおかけください さおや〜、さおだけ〜」
と、アナウンスが聞こえてきた。
例のベストセラー 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」を読んでから、 どうしても気になっていたのである。 実態をどうしても知りたいと思っていたのである。
これはチャンスである。 しかも、家の前に出たら、 なんと、偶然そのさおだけを積んだ 軽トラックが、家の前に来たのだ。 このチャンスを逃す手はない。 よぉし、声をかけよう。
私は、軽トラックを運転しているおにいさんに (33〜35歳くらい、タオルを頭に巻いた小太りの人) 声をかけた、車の窓をコンコンとたたいて。
「ねぇ、本当に2本で1000円なの? それはどれ?」 「後ろに積んである緑の細いタイプだよ」
どれどれ
軽トラックの後ろを隅々までチェックする。 4メートルの長さのさおだけが 何種類がそれぞれ5本ずつくらい置いてある。 全部で40本くらいか? その下に、ぼろぼろになったさおだけが置いてある。 これは、引きとった、さおだけなのね。 その他のものは何もない。
私は、おにいさんが教えてくれた、 緑の細いタイプのさおだけを見てみた。 確かに細い。 なるほど、これが2本で1000円なのね。 でも、この緑の細いタイプのさおだけ、 4本くらいしかない。 つまり、あと2組ね。
私は再び車のおにいさんに声をかけた。 「この緑のに洗濯物かけても大丈夫?」
すると、なんとっっ そのおにいさんはこう言ったのだ。
「洗濯物は、かけられないよ、細いから。 すぐに壊れちゃうからね」
「えっ、洗濯物かけられないの? じゃ、何をかけるの?」 「それは、立てて使うものなんだよ」 「はっ、立てて使う?何に?」 「あのね、旗なんかを立てるのに使うさおだけなの。 洗濯物をかけるためのものじゃないの」
旗を立てるさおだけ…絶句
2本1000円のさおだけは、洗濯物はかけられないのだ。 旗を立てたりするのに、立てて使うさおだけなのだ。 そんな用途があるなんて… 誰が使うのか… どんな旗をなびかすのか… これが、2本1000円の目玉商品の実態である。
「絶対に使えないの? じゃ、洗濯物を干すときにはどれを使うの? それはどれ?いくら?」 すると、おにいさんは、やっと車から降りてきた。
「緑のは、使っても…すぐに壊れるよ。 だから、この太いのじゃないと駄目なの。 ほら、太さが全然違うでしょ?」 「うん、違うね、で、いくらなの?」 「こっちの鉄製が3500円、ステンレス製が8000円」 「えっ、1本で?そんなに高いの?」 「そう1本で。でも、他で買うよりは安いよ」
緑のと比べると確かに太いし、がっちりしている。 さらにおにいさんはこう言う。
「鉄製は、さびてくるからね、 ステンレスの方が、長い目で見ると、お買い得だよ」 ステンレスは8000円… 2本1000円で来てみたら、 その16倍ものさおだけを進められるのだ。 (1本計算ね)
なるほど… こうして、高いさおだけを売るのだ… (あの本の通りである)
「8000円…今、持ってないわぁ。 2本1000円のでいいかと思ったから」 「奥さんね…(驚いたように) そんなの買う人はいないよ。 売る方がこんなことを言っちゃいけないんだけど、 弱くて使えないよ、物干し竿は、丈夫じゃないとね」 「そうなの…そういうものなの…」 「そう、よく考えて」 「うん、でも、今日はあきらめるわ。 お金持ってないし。今度いつ来るの?」 (買う気はないが、聞いてみた)
「うーん、全然わかんないね。 放送聞いたら、声かけて」 どうやら、計画的に回っているのではないらしい。 たぶんおにいさんの気分によるのだ。
「あっ、そうなの、どうもありがとう」 そうお礼して、私は調査を終えたのだった。 てなわけで、さおだけやの実態、 よくわかりました。
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