今日は嵐のように風が強かった。
朝からヒューーゥウ、ホゥーーン
（これはベランダの手すりが風と共鳴して出す音）
風が泣いているってこういうことを
言うのだろうなと感じる。

南側のベランダをおそるおそる見てみると、
背の高い植木がほとんど倒れていた。
「あ、せっかくレモンの花が咲いているのに
　大変、すぐ直さなきゃ」
ベランダに出て直そうと思うが、
窓が思うように開かない。
力を入れて開けると、
ものすごい風が入り込んできた。
そのとたん、ガシンといって、
飾っていた額縁が落ちた。
飾っていた花も吹っ飛んだ。

とりあえず、
ベランダに出て植木や野菜たちの様子を見て
風よけをしてあげることに。

風がスゴイ。
髪を束ねていなかったので、顔にかかったり、
上にたなびいてみたりしてかなり邪魔。
メガネで作業していたので、
メガネが何度もとばされそうになる。
しまったと思うが、もう遅い。
必死の形相で作業。

背の高い植木をかためて、
互いに支え合うようにして
風が弱そうなところに移動。
よし、完璧。

まだ弱々しい植えたばかりの野菜達は、
斜めになって風になびいている。
しかし、今直しても仕方ない。
「今日はちょっと頑張ってちょ」と
声をかけて、
風のあまり強くないところを探して、
野菜達も移動。これも完了。

最後に、花たちを一部部屋に移動することに。
しかし部屋を空けるときに風に注意しないと、
また部屋に被害が出る。
風の様子をうかがう。
ちょっとおさまった瞬間に窓をあけて
大急ぎで花たちを取り込む。
ああ、よかった。大丈夫。完璧。

しかし、安堵した瞬間、
また背の高い植木達が倒れてしまった。
ちっ。
風のヤツ、いい加減にしろよな、と
にらんでみても、効果なし。

仕方ない…背の高い植木も家に入れよう…、
しかし、部屋に入れようとすると、
相当手間がかかる。
その間にまた部屋に被害が出そうだ。
仕方がない…
この際、背の高い植木達は、
あのまま寝ていてもらおう…
その方がきっと楽に違いない…
そうすれば、風の当たらないですむし。
気の毒だったが、
気がつかないふりをすることにした。

風がおさまったらすぐに直してあげるからね。

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