窓のない四方を壁に囲まれた小さな部屋。 ある程度のものが揃っていて、ここはここで居心地が良かったりする。 この部屋だけで一生を暮らしたとしても、それはそれで幸せなのだろう。
だけど壁の向こう側には これほど大きな世界が広がっていることを知らないまま一生を終えていくこと。 否、それとも その広い世界の怖さを知っているからこそ 窓のない壁をつくって部屋に閉じこもること。
どちらも間違いではない。
だが 踏み出さなければ何も始まらない。 それは部屋を捨てることではない。 部屋は『帰るべき場所』として残しておけばよいのだから。
そう、四方を壁に囲まれた部屋に 窓をひとつ 扉をひとつ つける勇気。
天井に穴を開けよう。 こんなにも空が広がっていることに改めて気が付く 天井から部屋の上に這い上がって 天井上に立って空を、地平線を見渡す。
自分がいかにちっぽけな世界に満足していたということ 私の歩む世界はこんなにも無限に広がっているということ どこをどう進もうとそれは自分の自由であるということ。
一歩を進み出す勇気。 見知らぬ世界に 新たな困難に 立ち向かう勇気 その先に待っている 新しい幸せを掴み取る喜び
つらくなったら いつでも帰る場所がある そんな居場所の穴の開いた天井上に 今 私は空を見上げながら立っている。
飛び降りて手を取り合いながら一緒に駆け出す。 もう私は一人じゃない。
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