全てを失ったからもう怖いものはないはずなんだと思っていた。でもそれはあまりに儚い強がりということに気が付いた。全てのことに興味を持てなくなったワケは他でもない興味を持ってしまった後でまた失うのが怖いからだ。霧や煙を掴むかのごとく指の間から流れ落ちて掴んだはずの手のひらには何も残らないもうそんな思いはしたくない。何かに惹かれることは同時に失う怖さも生むまた失うのが怖くなってしまった臆病な私でもそれは新しい何かを掴む為の乗り越えるべき道であると信じたい。