筆者は、成人してからは誕生日を特別に思わなくなっている。世の中、肉体年齢や精神年齢が実際の年齢とかけ離れた例も多く、年齢というものにあまり意義を感じていないのだ。 しかし正月は別で、ハッキリとした区切りを確かに感じる。それはこの区切りを共有する人間の数が圧倒的に多いからだろう。年の瀬が迫ると、みんなそわそわし始めるし、正月の朝はおせちと雑煮を囲んで新年の祝辞を述べる。
2012年12月21日という区切りを共有した人々も多かった。Wikipediaで言う「2012年人類滅亡説」である。複数あったマヤの暦の中で一番長い2万5640年という1サイクルが終わるというこの日に世界が滅亡する、とまことしやかに広がっていたのである。 少し調べてみたがマヤ文明自体が滅亡を予言しているというわけではないらしい。その日にあわせて近世の人々がこじつけ、もしくは妄想に近いいくつかの不安要素やがささやかれているだけだった。 この滅亡に関してセルビアのルタンジュ山は、この滅びから逃れられる唯一の場所と考えられ、ホテルは満室状態だったそうだ。 この日、ルタンジュ山で区切りを迎えた人々は地球が滅びなかったことを喜べただろうか。
|
|