2012年02月26日(日) |
マラソンが面白くなった理由 |
実業団に属さぬ男が日本人で最速の男となり、オリンピック出場の最有力候補に躍り出た。公民を兼ねるランナーは14位に終わった。かの大震災で悲嘆に暮れる南相馬市の市長が、病気で夢破れたJリーガーが完走した。今年の東京マラソンはやけにドラマに溢れているような気がする。
筆者はあまり陸上競技全般のことを面白いものだと思っていなかった。ただ走るだけでゲーム性のないスポーツだと思っていたのだ。その考え方が変わり始めたのは、二年前に東海道の京都は三条大橋から東京・日本橋まで歩き切った時だったと思う。 あの時は25kmが一日歩ける距離の目安だった。それが精いっぱいだ。マラソンはその倍近い距離を2時間半から〜6時間で走ってしまう。箱根駅伝なども、箱根の山の急坂を身をもって知って初めて面白くなったものだ。
市民ランナーの川内選手の失速の原因は給水の失敗だという。自転車競技でもそうなのだが、長距離競技は補給は生命線だ。水分、塩分にエネルギーが枯渇して身体が思うように動かなくなる。精神論ではどうにもならない、物理的な現象だ。それがはっきり見えるマラソンは文字通り、人間の肉体の限界に挑むスポーツなのだと今は思っている。
|
|