土曜日に会いに行った祖父は今度ツアーで知覧に行くのだと言っていた。鹿児島県の知覧といえば、陸軍知覧飛行場のあったところで、戦争末期に数多くの特攻隊員が出撃した場所だ。今は知覧特攻平和会館となっている。 筆者も去年、鹿児島旅行の際に知覧を訪れている。大半が青少年と呼べる年齢の特攻隊員達の顔写真が壁一杯に張られ、その下の棚には遺書が展示されていた。貸出レコーダーの案内を聞くほどに日本を守るために命を張った彼らに頭が下がる思いがしたものだ。
祖父は戦争が好きだ。見る映画も戦争ものが多いし、零戦の模型を飾ったり、新聞に掲載された戦艦大和の写真を切り抜いてあったりする。 中国や韓国も蔑称で呼ぶので右翼的な思想の持ち主かとも思うが、今の日本に戦争をして欲しいわけではなく、ただ「昭和時代の人」なのだと思う。 祖父は死ぬまでに一度知覧へ行ってみたかったと言っていた。当時の憧れで自分も志願したのだ、と。 戦争中の祖父は中国大陸でひたすら行軍していただけだったという。戦争で地獄を見たわけではないためか、あまり太平洋戦争を痛ましいものだと思っていない。ただ、日本を守るために一致団結して戦ったあの頃が懐かしいのだろう。
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