言の葉孝

2008年01月25日(金) 何もできなかった


 何もできなかった。
 明らかに上司は何かを待っている。

 僕の考えることことごとくにけちをつけ、否定する言葉の裏で、僕の言葉を待っている。「やる気がない」といわれてもなお、「案件をください」と言わせようとしている。
 受け持っている物件がない。当然今期の受注予定もない。僕のとるべき道はそれしかない。

 正直悔しい。犬みたいに与えられた案件でやっていくしかないなんて。
 正直辛い。そんな情けない話を上司にしなければならないなんて。

 電話を手に取る。
 上司は来週上海出張で、水曜日まで連絡が取れない。おまけに今は客先にいっていて、いつ会社に戻るかわからない状態だ。

 できるなら面と向かって話したい。電話だとつながりにくいことがあったりして話しづらいし、おまけに上司と電話で話をしてろくなことになった記憶がないのだ。

 でも話さなければならない。
 ここで話さなければ上司のいない3日間は絶対に不毛なモノになってしまう。


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想 詩拓 [MAIL] [HOMEPAGE]
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