言の葉孝

2005年08月09日(火) 4『線路上の暴走』その1の日

 あっちこっちで郵政解散の話で盛り上がっておりますが、私は元気です。(←何が言いたいんだ、お前は/汗)

 そうだったのか……今まで首相が何も言っていないと感じていたのは、首相が何かを言っている場面をマスコミが削っていたからだったのか……。
 どっちにしろ、郵政改革に固執して、政局の動きを制御できなかったのは小泉総理の失政ですよね。っていうか、反対票を投じさせたのは郵政民営化法案の内容ではなく、小泉総理その人です。

 ウチの家族の見方では、総意として「結局、また小泉政権におさまりそうだ」ということですが、父サマは「ここでニッポン変わらなアカン」と申しておりますが、残念ながら、際立った政治家がいない今、危険を犯して他の政党に任せるくらいなら慣性に従って自民党にいれちゃいますよ。

 さて、次の動向は六日後の靖国参拝ですな。
 僕は靖国に参るのは結構だと思いますが、中国や韓国に対し、「何故靖国に参るのか」などの理由を説明し、二国の反感を押さえる努力をするべきだと思いますよ。実際はやってるのかもしれませんが。
 
 朝日新聞でしたか、俳句の投稿欄に「郵政と靖国だけの六ヵ月」ってカンジの俳句が載っておりましたが、まさにその通り。

 しかし、靖国問題といい、郵政といい、反感を買うのが好きなオッサンですな。戦うのも結構ですが、本当にいい政治家は反対派も全て抱き込んで味方にしてしまうものですよ?

 以下に“まほゆめ”第三部四話シーン1を先行掲載します〜。




   4『線路上の暴走』



 もう、止まる手段を失ってしまった。
 もう、下がることも忘れてしまった。

 残されているのは、力の限り進むことだけ。
 がむしゃらに、ひたすら前へ走ることだけ。

 ただ止まればいいだけのことと知りながらも、
 止まらなければならないことを感じながらも、
 実は止まりたいのではないかと思いながらも。



「奴らの狙いはこの列車じゃありやせん。フォートアリントンなんス」
 専門の技師でもさじを投げたくなるくらい、爆薬で徹底的に破壊された運転室でコーダが告げた。襲撃者達の目的はこの列車への山賊行為、もしくは破壊工作ではなくこの列車を暴走させることにあった。
 そして暴走した列車が走るレールの先にあるのは、“自由都市”フォートアリントン。そこに列車を突っ込ませ、惨劇を展開するのが彼等の目的だという。コーダの推測によると、この列車のどこかに先ほど制御装置を破壊したものとは比べ物にならない破壊力の爆発物が仕掛けられているだろう。
 地図上、世界の中心にあるフォートアリントンに付与されている意味は大きい。どの国のものでもないその都市は、同時に三大国及びその属国を繋げる絆の象徴でもあるのだ。そこに甚大なダメージが与えられれば、その影響はどこにでるか漠然としか分からない。「ただ、確実なことは、その影響は間違いなく世界を揺るがすということでやしょうね」
 コーダの分析に、その場にいたリク達が静まり返った。

「一つだけ聞いても構わないか?」数秒の間の後、ジェシカがコーダに問う。コーダは何も答えなかったが、そのジェシカに向けられた視線は暗に肯定を示しているととったのか、彼女は尋ねた。「奴らは、お前の“何”だ?」
 色は違うが、砂漠の民を連想させるゆったりとした衣、そして褐色の肌に白髪。それにジェシカが確認していたわけではないが、あの列車を襲った大蜂は何者かに“召喚”されたものらしい。
 外見に召喚という能力。コーダと襲撃者達にはあまりにも共通点がある。それに、初めに大蜂を目にした時の反応からすると、コーダは襲撃者達の事を知っていたようだ。
「端的にいうと同族ス。……俺は縁を切ったつもりスけどね。詳しいことは長い話になるのであとにしやしょう。今はこの列車を止めなければなりやせん」
 列車は標準から、比較せずともはっきりと分かるほど速度を上げていた。もうフォートアリントンまで六分刻(三十分)も掛かるまい。ただ、直前で止めても余波で被害が出る可能性が高い。実質的に全てを無事に終わらせるには十二分刻(十五分)以内にこの暴走を収束させる必要があった。

「でもどうやって止めるん?」
 この時、五人が共通に抱いていたであろう疑問をカーエスが声にする。
「……列車を破壊するしかないだろうな」と、ジェシカが提案する。「乗客をどうにかして避難させて、列車を横から魔法で攻撃するんだ。少なくともフォートアリントンは無傷でいられる」
 ここまで切迫した事態になってしまった以上、全てを無事に済ませるわけにはいかないだろう。だが、列車を放棄すれば、少なくとも人命が失われることはない。
「乗客をどうにかするってったって、あと六分刻だろ? コーダの《シッカーリド》やら俺の《アトラ》を使うにしても、少しずつしか下ろせないから時間が足りないんじゃないのか?」
 これだけ早く走る乗り物から無事におりるためには、それと同等に近い速度の出せる乗り物に一度移らせる必要がある。その乗り物でリクの心当たりはコーダの《シッカーリド》か自分の召喚できる“白鳳”《アトラ》しかないわけだが、この方法だと、一度に人を載せられるのは両方合わせて十人いくか行かないかである。それらを乗せては減速し、降ろしては追い付くという繰り返しは考えるだけで効率が悪い。
「車両を切り離しやしょう」と、ジェシカの提案に修正を加えたのはコーダだった。「乗客を出来るだけ後ろに詰め込んで、そこだけ切り離すんス。おそらく三、四両あれば事足りるでやしょう。それだけなら《シッカーリド》後ろから引っ張ってブレーキを掛けられやス」
「そんで前の車両は破壊するんやな?」
 カーエスの問い返しに、コーダが頷いた。
「前の車両に兄さん、カーエス君、フィリーさんの三人が残って、どうにかして下さい。爆薬が仕掛けられている可能性を考えると、できれば《アトラ》さんに乗って外から攻撃する方がいいスね」
「私はどうするのだ?」と、挙げられた名前から漏れていたジェシカがコーダに聞く。
「ジェシカさんには客車への魔力の供給を経ってもらいやス」
 コーダの話によると、主な推進力を保有しているのは先頭の機関車両なのだが、あまり負担を掛けないように、引っ張られる方の客車にも幾らかの推進力があるのだという。その推進力を賄う魔力は線路から供給されているのだが、車両に備わっている、その魔力供給装置の破壊がジェシカの役目らしい。
「了解した」
「じゃあ、早速行動だな。とにかく乗客には後ろに行ってもらわねぇと」
 リクの言葉に、四人は頷き返し、今立てたばかりの作戦の実行に移った。




 え? なんで最新章Upの二日後にこんなの出てるのかって?
 ヒマなんですよ、要するに。

 ホントは暇じゃないんですけど、ヒマなんです。

 ネット小説うらうら〜っと読みながら書いてたら、これとあと1000文字くらい書けました。




web拍手レス(『線路上』シリーズが終わったら『ヒミツノサンカク』書こうかなぁ。……書いて欲しい?)

>「今日はそんな暑くないのに、猫がまったりしてた。私もまったりしたい。色んな意味で疲れたし(何」

 最近テルモは見てて楽しいですよ? 先日エリーと川遊びに行った時、朝から夕方までほったらかされていたものだから、わざわざ溜めていたらしいオシッコをエリーのクッションにぶちまけて抗議してきました。

 それと、ねずみ型のおもちゃを買い与えると、それに夢中になりました。猫じゃらしと一緒、あの形は無条件に猫の魂をくすぐるのでしょうか。

 今日のテルモは紙袋の中に入ってくつろいでいました

 動くものには反応する、狭いところには入りたがる。猫って実は本能的なこだわりがあるのかもしれません。


>「まほゆめ、続きが気になります」

 その気持ちに感謝の意を込めて、上にキリのいいところまでUpしておきました。どうぞお楽しみを。

 っていうか、いるんですね。続き気にしてくれる人。
 あまりにサイトのROM率高いので、あんまり気持ちを入れて読めない小説なのかと思ってました。

 まあ、書き込もうにもネタがないのは事実なんですよね。
 他の人気小説は下手をすると一話ごとに「さあツッコむがよい!」って感じのネタが入ってるんですよね。さりげなかったり、そのままシーンに仕立てたりして。
 あれは書いてる方も楽しいだろうな、と僕も思います。


>「ところでサイト名はなんと発音してどんな意味なのでしょうか?」

 SOUFARCLYは「ソーファークリー」と読みます。ちなみにアクセントは「ファー」で(←これ重要/笑)。
 これは造語なので偶然で一緒のスペルにならない限りはどこの言語にもない単語です。

 意味は無いようであります。初めのSOUは「想 詩拓」の「想」、後ろのFARCLYは英語の「Factory」をもじったもの。「工場」とか「造り出すところ」の意ですが、合わせて「想 詩拓の小説工房」のような意味合いだと思って下さいませ。


>「ハガキを元に小説を書く おもしろそうw」

 『小説創るぜ!』の話ですね。あれは何と富士見ファンタジア文庫1000册目記念だったそうです。
 ちなみに僕はお題が与えられている時は、ひたすら頭でキーワードを反芻すると、それに連想して物語が出てくる場合が多いです。

 どっかのお題で挑戦、というのもしてみたいですが、今は自分の事で手一杯ですけどね。

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