読書記録

2024年03月28日(木) 息が詰まるようなこの場所で / 外山 薫

第1章  春  平田さやかの憂鬱
銀行員の夫と中学受験する小学6年の息子と3人暮らし
さやかも夫と別支店で働く

東京というすべてが狂った異常な街で、息が詰まるようなこの場所で、私たちは何を追い求めて消耗しているのだろうか。


第2章  夏  平田健太の焦燥
さやかの夫
やっかい事を押し付ける上司と、何を考えているのか分からない今どきの新人との間で苦悩する。
息子の塾での成績に一喜一憂する妻の待つ家に帰る足が遠のくのだった。

サッカーの夢を諦め、東京にまで出てきて、息が詰まるようなこの場所で、俺は何をやっているんだろう。


第3章  秋  高杉綾子の煩悶
医者の夫と結婚して タワマンの最上階に住み、小学6年の息子は塾での成績はトップクラス、娘はピアノのコンクールでいくつもの賞を取ってくる。
小学校のPTA会長をしている。夫の母の口出しには上手く対処してはいるものの。

息が詰まるようなこの場所から、今すぐにでも逃げ出したい。でも、どこへ?


第4章  冬 高杉徹の決断
親から受け継いだクリニックを守ってはいるけれど、あまり出来のいい子供ではなかったから母親の目が怖かった。
自由に生きている弟がうらやましくもある。

息が詰まるようなこの場所で、これまでの人生で得たものと失ったものを指折り数えてきた。



東京砂漠で暮らす人たちの物語









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