読書記録

2017年09月09日(土) 女たちの避難所/垣谷 美雨

  ●椿原 福子  55歳
ろくに働きもせず、母親から小遣いをもらってパチンコ(スロット)通いする夫から逃れたいと思っていた。
家計は福子が酒屋でパートして何とか維持している。
震災で 〜 夫が死んでくれてたら・・・嬉しい。



  ★漆山 遠乃  28歳
生後6か月の息子と夫と、舅姑との5人暮らし。
舅は高校卒の遠乃を器量よしを鼻にかけていると、夫のいない時は癇癪を起して遠乃に辛く当たる。
仕切りのない避難所では、好奇な男たちの視線にさらされて授乳もままならなかった。
夫が亡くなって得た義援金も舅が管理していた。

  
  ◆山野 渚
夫のDVから逃れて離婚し、小学生の息子と故郷に帰ってきて、母と昼間は定食、夜は居酒屋をしている。
小学生の息子は母親が酒屋で働いて、男たちをたぶらかしているという理由でいじめられていた。


主人公はこの三人の女性で、それぞれが三月十一日にあの地震と津波に遭遇し、命からがら避難所に辿り着き、仕切りの無い体育館での暮らしを余儀なくなれる。
モデルにした場所はあるようだが、著者はあえて宮城県の鷗ケ浜市という架空の場所を舞台にして、避難所での暮らしぶりを生活者の目線で物語に仕上げた。
最後に三人は監視社会、男尊女卑から勇気ある決断をして、東京へ踏み出していく。






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