読書記録

2017年08月18日(金) みかづき/森 絵都  (もり えと)


  あらすじは、昭和36年、小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、二人の間に二人の娘も誕生し、千明の母も交えて家族になった吾郎。ベビーブームと経済成長を背景に、塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い、文部省を毛嫌いする千明と山あり谷ありの人生を送る。昭和〜平成の塾業界を舞台に、吾郎と千明、蕗子・蘭・菜々美の三人の娘、そして蕗子の長男一郎と、知らず知らずというか運命なのか塾という教育の荒波に巻き込まれていく。



あの子は人を裁いて、そして、許さない。あの子、幸せになれるのかしら。
どんな子であれ、親がすべきことは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ。
(千明の母、頼子が吾郎に語った想い)


「でも私、あのころの自分も、今のあの子たちも、かわいそうとは思ってません。お金はなくても、母親のド根性を見て育ったおかげで、私、裕福なうちの子にはない強さをもらえたと思ってますし。カズちゃんや真奈ちゃん見てても、そういう力、感じますもん。なんていうか、ほんまもんの『生きる力』
(一郎が塾に通えない本当に支援を必要としている子供たちにタダで勉強を見てやる、という決心をした時)











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