2016年06月09日(木) |
左近の桜 長野 まゆみ |
図書館でタイトルに惹かれて借りた本。 パラパラとページを繰ったときに ”桜蔵” という名前が目についたので、てっきり時代小説だと思っていたら、苗字が 左近 で名前が 桜蔵 と書いて さくら と読ませていた。 主人公の 桜蔵は 16歳の男子高校生なのに、役割は女なんだそうな。
最初から ちょっと妖しいというか エロいというか、不思議な世界の物語。夢か現か判然としない世界感に引き込まれていった。 それにしても・・いつも迂闊すぎる桜蔵、隙があり過ぎで、拾っているんだか、拾われてるんだか妖しくて美しい者たちとの行きずりの関は、何気にあやうい夢物語。 繊細な、美しい文章で幻想的な世界を創り出している。 特に最終章のサクラの中での情景は艶色と清廉さを併せ持つ桜蔵が何とも魅力的。
情景だけ コンピュータグラフィックにして 映像公開してほしいと思った。
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