一仕事終えて適当な飯屋に入った。私は江戸時代の語り部で八人の養子がいた。子供達には白飯を食べさせた。自分だけ玉子焼きをおかずにしている事が後ろめたくなり、子供達のお碗にごま塩を振ってやった。ふと右側を見ると小人のこじきがおからを食べている。私は八人もの子供達を養っている事を誇りに思っていた。その日はとても気分が良かった。大きな子供が小さな子供の面倒を見てくれるので養育は其ほど大変ではない。街道の道端で語り部をしていると、沢山の子供達を抱えている私に同情して通行人から多くの投げ銭を貰えた。なので生活には困っていない。性格柄倹約家なだけだ。子供達が立派に一人立ちするまでは、今の生活を続けようと思っている。
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