昼休みになった。新入社員の私は先輩社員二人と社長との四人で外食へ出た。先輩の運転する車は近頃開店したと言う和食屋さんに着いた。店内はやけに湿度が高くもうもうと湯気が立ちこめていた。先に進むとビュッフェ方式なのが分かる。チラチラと調理師達の姿が見える。湯気の中でダラダラと汗を流していた。私は沢山のお惣菜の中から大根と何か良く分からない野菜を煮込んだ物を取り分けた。ふと気付いた。取り分け用の小皿やスプーンが、洗っていないのではと思えるほど汚れている。一気に食欲が失せた。先輩は社長に謝っている。「こんな小汚ない店へお連れしてしまい申し訳ありません」
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