1.幻 (2) - 2008年01月11日(金) じわり、と目尻に涙が滲む。 「あれー?やっぱどうかした?」 友達が少し心配そうな顔をして、そう尋ねてきた。まさか泣きそうになってるなんて、気が付いてないと思うけど。 「ううん、何でもない」 俺は首を横に振って、涙を見られないようにシャーペンを手に顔を伏せた。 泣きそうな時、抱き締めて欲しいのはあの人だけだから。 帰り道。 友達と別れた後、鞄から携帯を取り出して開く。 せめてメールしようかな…。メールはあんまり好きじゃない。だけど、電話よりは迷惑にならないと思うから。 何を書こうか、散々悩んだ上に結構長い文章になっちゃって、結局メールを送る前に家に着いてしまった。思わず苦笑いが零れる。 あの人は今、何をしてるんだろうか。仕事かな?忙しいのかな? 我侭なんか言わない、俺はあなたと会える日をいつまでも待ってる。 だから、せめてこのメールを読んでくれますように…。そう願いを込めて、俺は送信ボタンを押した。 ***** ブックマーク整理により、某所から持ってきた小説。 色んなところで書かないで、書く場所を統一しようぜって話ですよねー。 ちなみに書いた当初の後書きには、『何が書きたかったんだろう…?(笑)とりあえず遠距離恋愛』と書いてありました。 -
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