勧君金屈巵 満酌不須辞 花発多風雨 人生足別離 「歓酒」干武陵
この漢詩を訳したのが
この杯を受けてくれ どうぞなみなみ注がしておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ 井伏鱒二『厄除け詩集』より
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「花に嵐のたとえもあるさ さよならだけが人生だ」
花に嵐のたとえもあるぞ というのが原文だけれども わたしは個人的に 花に嵐のたとえもあるさ の方が好き。
そうして 寺山修司がこの詩に心動かされて作ったのが
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さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう
はるかなはるかな地の果てに 咲いている野の百合何だろう
さよならだけが人生ならば めぐり会う日は何だろう
やさしいやさしい夕焼と ふたりの愛は何だろう
さよならだけが人生ならば 建てた我が家はなんだろう
さみしいさみしい平原に ともす灯りは何だろう
さよならだけが 人生ならば 人生なんか いりません。
『幸福が遠すぎたら』寺山修司
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相反する返しうたのようだけど、 でも、メビウスの輪のように繋がっているようでもあり、
わたしはどちらの詩にも心揺すぶられて 自分の中の真実を見る。
ひとは皆、さよならという名の花を育て看取りながら
人生を歩いているのかもしれない。
ゆうなぎ
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