また眠れない夜が明ける。
自分が今立っている場所がいかに不安定なのかに気が付くと 怖さと怯えで足がすくんで動けなくなるから 日頃はなるべく見ない気が付かないふりをしてる。
それを逃げだと言われたら その通りですと俯くしかないけど これはわたしがわたしの脆い精神を守る為の自衛手段でもある。
昨日 母の最近の体調不良について父から聞かされた。 実家には祖母もいる。 皆 もう高齢だ。 本来ならわたしがもっと 支えて守っていかないといけないはずなのに 今のわたしは子供達のことすら充分ではない。 ジブンすら持て余している。
こんな時に自分がいかに崖っぷちにいるかを 思い知らされる。情けないほどの無力さと共に。
そして心底怯える。怖くてたまらなくなる。 問答無用に押し寄せてくる どうしようどうしようどうしよう。 思考はどんどんマイナスの方向へと流れる。 パニックになりそうになる。
フラッシュバックを起こす。
モウダレカヲナクスノハイヤダ モウアンナオモイニハタエラレソウニナイ
人がゆっくりと確実に少しずつ死んでいく過程を 目の前で見続けたことがありますか? ある人ならわかってもらえるだろう。 あれほど辛い 精神の拷問はない。
ただ見ているしかできない。意識はもうない。 危篤状態。数分後に逝っても不思議はないという告知。 でも命の火は燃えている。 できることはその場で見守り続けることだけ。
その人の胸の上下する動きを確認して まだ其処に命が留まっていることを知る。
そんな毎日が半月続いた。 朝、昼、晩 張り詰めながら過ごす長い長い時間だった。
そうしてその人の命が旅立ってからも 容赦なく次には喪主としての勤めが待っている。 お通夜、お葬式、四十九日、初盆・・・ 諸々の手続きに役所に何度も足を運ぶ。 少し落ち着きだすのは1年過ぎてからというが 三周忌まではなかなかそうはいかない。
わたしの場合は前後に色々あったから 余計にトラウマは深く未だフラッシュバックは消えない。 どうしても行けない場所、封印したつもりのこと なのに忘れてしまいたいことほど抜けない棘のように ジクジクと思い出したように胸を刺し続ける。
悪夢にうなされてその時に言いたかったのに言えなかったことを 叫んでは自分の声で目が覚める。
人がひとりこの世から消えるということは 自分自身が思っているよりも遥かに重い。 ドラマなら省略されてしまうだろうけど 現実世界では そこもキッチリと実在する。 キレイゴトだけじゃない。 ドラマみたいにいかない。
だからこそわたしは怖い。 わたしは不安になる。 わたしは怯える。
なくすことが怖くて堪らない。
わたしは守るものでいるには脆すぎる。 わたしの強さなんてハリボテでしかない。
それを自分が一番良く知っているから。
今日もカミサマに祈る。
いつ崩れても不思議はないこの地面でも それが今日でありませんように。 明日でありませんように。 一分一秒でも長く日々が続くことを。
大切なひとたちをお守りください。 どうか
どうか。
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ゆうなぎ
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