お気に入りの黒い靴。
もう3年以上になるけど 大事に大事に履いてたのに この前の時、歩いてたら片方の止めるバンド部分の端っこが取れちゃった。
そんな値段高い靴じゃない。 スーパーとかで買ったのだけどすごく好きだったんだ。
その時は 「あーもうダメだね」ってKからも言われて ペタンペタンって外れた端っこが足に当たるのが なんかセツナくて。 でも その気持ち、上手く言えずに 別れ際だったんで 一応強力瞬間接着剤を100均で買ってきた。
帰ってからやっぱり諦めきれずに接着剤出してきて ペタペタ修理。 何とかくっついたみたいで安心したけど 何しろ不器用モノのカナシサ。 両手指 接着剤が貼り付いてて。 これがまた 見事に強力。 さすが・・と妙なところで感心。
っていうか薄皮が一枚両手指にできたような 違和感。キモチワルイ。 ムチャってわかりつつも引き剥がす。 お湯に手をつけて小一時間。 まばらながら取れて少し気がすんだ。
もっとちゃんとしたやり方あるんだろうけど なんか必死で皮まで剥がしながら。
靴はもう少し もちそうかな? 失くしたくなかったから。 もうダメだねって言われたけど もうこれほどの長い間履いたのにね。
ねぇ
あたしがこの靴なら きみは諦めて捨てちゃうのかな? もう長い間 履いたから悔いは残らないのかな?
他の黒い靴でもきみの足は痛くならない?
あたしはあたしの存在が何処か信じられないでいる。 いつからこんなふうになったのか もう覚えてない。
痛いのか苦しいのか哀しいのか それが今もなのか残滓感なのか その認識さえもどこか曖昧で遠い。
ただ ずっと サミシイ だけ。
時々想い出した様にナニかに反応してココロがチリチリすることで あたしはあたしというものがまだ此処に在ることを 確かめているのかもしれない。
黒い靴 そっといつもの通りに靴箱に仕舞った。
いつか履けなくなる日はくるだろう。 形あるものは みんな 壊れてしまう定めなのだから。
それでもそれが明日でないといいなって そう思う。
ねぇ
望めない願いと 口にできない問いばかり また胸の中で繰り返しているのは
きっと急に肌寒くなってきたこの季節のせい ね。
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ゆうなぎ
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