| 2006年06月06日(火) |
暗い迷路 月の明かり |
気が急いでサンダルを突っかけてきてしまったから バス停3つ分の往復はかなり堪えて 足を引きずり引きずり夜道を家へと戻っていた。
ため息をついて見上げた夜空に月が見えて 何となく持っていた携帯のカメラで月を撮ってみた。 でも目で見るほどはっきり写らない。 ぼんやりとしたちいさな明かり。 一緒に写った信号機の明るさで 余計に月は頼りないように霞んでる。
大人にはまだまだ遠いけれど 一番大人に憧れて大人ぶりたい年頃なのかもしれない。 真ん中が友達数人とだけでテーマパークに行きたいと言い出した。 当然学校の禁止事項。 親としても大人の同伴なしで出すことにOKなんて とてもじゃないができない。 それでなくても物騒な事件が後を絶たない最近。 何か が あってからでは悔やんでも悔やみきれない。
ただ真っ向から反対をしたわけじゃない。
もっとみんなで計画をしっかりと練ることをしてみたら? まず話し合って誰かの保護者がついていけないかを検討してみたら? 少なくともそこへ行きたいなら保護者同伴は外せない。
わたしがみんなを連れていってやれればいいけれども それは今のわたしにはどう考えても無理。 自分の子供だけならそれでも何とか頑張れるし目も届くけれど 人様のお子さんまで責任を持って預かれない。
この事情も再度 よくよく話して聞かせた。
それでもわかろうとしない。 わからせたいことに対する返事がズレている。 まったく聞き入れない。
それほどに友達同士だけで遠くに出かけるということは 魅力的であるということだろう。 確かにその気持ちはわたしにだってわからないじゃない。 わくわくするような冒険。 止められれば余計に楽しいことばかりが思い浮かんで (頭の中にはうまく進んでいる情景しかないだろうから) どうしていけないんだ。大丈夫なのに!って反抗心ばかりが 膨れ上がる。
とうとう「家出する!」とリュックを背負って家を飛び出した。
一番上は「どうせすぐに帰ってくるよ」と そっけない。 日頃 下二人のワガママにイラつかされていることもあるだろう。 末っ子はとりあえずこんな時は神妙。
それでも1時間経ち2時間経ってきてあたりが暗くなってくると さすがにわたしとしては平気ではいられない。
捨て台詞で 「ウチは お父さんが死んじゃっていないから!!!」と 言われたことも胸にグサリと刺さって抜けない。
それで一番上に電話番をさせてとにかく夜道を探しにでた。 寄りそうな公園、遅くなっても開いているコンビニなんかの 心当たりをあたりながら・・。
でも見つからない。焦りが滲みはじめた時に 自宅で電話番させてた子からわたしの携帯に電話。
「今 **帰ってきたよ」
へなへなと力が抜ける感じ。 とにかく良かったと心底安心した。
聞いてみるとどうも片道1時間ほどの繁華街に出かけて ハンバーガー屋さんでハンバーガー食べて本屋さんで 立ち読みして帰ってきたらしい。
探していた方向はまったく逆。 まさかそんな遠くまで一人で行っているとは 思いもしなかった。
足を引きずり自宅に帰ってきたら カーテンの陰に隠れてた。
もう怒る気力も無かった。 ただ 「お母さんがどんなに心配したかだけはわかってね・・・」と だけ。
一番上の子も苛立ちや色々な面で神経質になっている時期。 真ん中の子の不安定さ。 下の子は下の子で真ん中が不安定になれば同じように つられて二人して早速また学校イキタクナイ病 再発。
少し休めたかと思ったら カミサマは容赦ない。 まるで休息した分の倍返しで新たな荷物を背負わせるように。 より過酷な戦場に駆り出される。
途方にくれるが とにかく 全員迷走しながらでも日々を生きるしかない。
月の明かりは あまりにもちいさく頼りなく 信号機の明るさの前には霞んでしまうけれど
それでも暗闇の中では少しの道標にでもなってくれるだろう。
どんなにちいさな明かりでしかなくても 消えない明かりであるから。
消えない明かりはあるのだと この暗い迷路を往こう。
出口が必ず見つかることを信じて。
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ゆうなぎ
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