++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年12月16日(金) どうしてあなたはそんなに手を振るのだろう

少しだけ

触れるのにはまだ辛いことを。
でも懐かしく
やっぱり愛しかったあの 日々のことを。

少しだけ
少しだけ

此処に。

 


漫才の相方みたいなヒトだった。
苦労させられたけど心底憎みきれない弟みたいなヒトだった。

アタシの歌う声が好きだと言っていた。
アタシが美味しそうに食べるのを見るのが好きだと言っていた。

喧嘩して都合悪くなるとすぐ不貞寝した。
その癖 朝になると ごめんね と言って
しょぼくれた犬みたいな目をするから
アタシはいつも苦笑しながら 許すしか出来ないんだった。

幼馴染で。
長い付き合いで。

気の小さな人で。
自分のことでいっぱいいっぱいになると他が見えなくなって。
でも他人にそういう所 見せるの苦手な不器用な人だったから
きっとアタシに甘えてぶつけるしかなかったんだろうと改めて思う。


歳をとって醜くなって生きるのは嫌だとか昔 言っていて
その言葉通りに まだ40の声も聞かないうちに逝きやがった。

口ばかりで約束なんて守ったことなかった癖に
そういうことだけ実行にうつして どうするんやねん! って
突っ込み入れようにも もう相手が位牌じゃ仕方ない。


一緒に昔 デートした故郷の街は もうすっかり変わってしまって。
新しいものばかりだけど車で往きすぎれば思い出の名残が
あちこちから顔をみせてアタシをあの頃に連れていく。


思い出の中のアノヒトは少し猫背気味で
くわえ煙草してポケットに手を突っ込んでいる。



歌えなくなった歌
聴けなくなった曲



それでもぼそぼそと歌うへたっぴぃの歌は
耳に残っていて同じ歌を街で聴くたびに重なる。



ヤサシそうなヒトだね と遺影を見た他人はそういう。
そうだね。ヤサシイヒトだったよ と アタシは答える。

ヤサシイヒトだったと思う。ヤサシすぎて結局 
自分を壊してしまった。
アタシを壊してしまった。
そうして いつものごとく結局その場から逃げ出した。
きっと いつかムコウで会ったら
いつものごとく ごめん ってしょぼくれた犬みたいな目して
アタシは 仕方ないねぇ・・って苦笑しそうな気がする。


甘ったれのバカヤロウは最期まで甘ったれたまんまで
負けないくらいにヘタレなアタシに色々背負わせて遺していきやがったから。


仕方ないねぇ が口癖になったアタシは今日も仕方ないねぇと生きる。
仕方ないものは仕方ないから時々 星になったアノヒトに向かって
文句タレながらヘタレ満載で生きてる。

こうなりゃ徹底的にボロカスになろうとも の勢い(無いけど)で
ブザマな生き様を生き抜いてやろうと思ってる。



うう なんか もっとウツクシイ思い出を書きたかったのに
文句ばかりになっちゃってるし。

でも ま これも らしいかもしれない。

懐かしいヤサシい思い出はやっぱり
この胸の底に沈めて そぅっと眠らせていればいい。
アノヒトとアタシだけがわかっていれば いい。

結局 そういうことだって 思う思ってる。
そうでしょ?ねぇ・・。


仏壇の埃はらってそろそろ大掃除の準備 しなきゃ ね。
好きだった酒とタバコも特別サービスに供えてやるからさ。


もう少し
待ってなよ。

簡単には往ってやりゃしないよ。
見届けることも
やらなきゃなんないことも
まだ 山積みだからね。




一日がまた始まるよ。

今日もアタシ 生きてる。


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                               ゆうなぎ


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