++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年05月06日(金) 年月

若かった頃の自分が好きだと思うわけじゃない。
なんていうか滑稽なほどの自意識過剰とへんてこな意固地さと
それを包んで隠して(るつもりで)良い子の仮面。

いや 何 ありきたりの例えで笑っちゃうけど
単に煙草は体質が受け付けず 非行という名のつくものは
ただあまりの小心者でできず というだけで だから
自慢できるとはいえないイイコちゃんぶり。

その分 内側はひねてたり自分を持て余してたりしてた
ような気がするから一番 やっかいかも。

変な所で一本気で周りが見えなくなって突っ走って。
御伽噺(おとぎばなし)のハッピーエンドを信じてて。

優しさを装いながら傲慢で
正しさを盾にして残酷で でも それを迷いもなく信じていた。

あの頃。



もう とても若いとはいえない年になって
いろんな知りたくなかったことまで知って
可能性も進む道も 残されていないわけではないというキレイゴトを
確かに否定もしないかわりに苦笑いで呑みこむ。

若さという確かな可能性の光を羨んで
遠い目をしている自分に 
此処までもう来てしまった自分に
愕然と する。



それでも きっと 諦めないんだと思う。
どれだけ 諦めたと口にしても
諦め悪いのだけは死ぬまでなおりゃしない。

ああ 諦めてやるもんか って
こうなりゃ意地でも。

生きること。
もしも。
明日。



みっともなく足掻いてやるさ。

確かにできることなんて限られてて
今なんてそれでなくても残り少なくなった時間を
とてもじゃないけど有意義に過ごせてるわけじゃなくて

そりゃもう。



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実家にいる祖母はもうとても沢山生きていて
だから 今 どんどん子供に還ってる。

忘れたり困らせたり駄々こねたり
キレイゴトじゃない大変なことが
介護って名前のつくものには沢山あって。

それでも 例えば 手を握ってゆっくりと他愛無い話とか
してるとね。話しながらそうっとほっぺたに触れたりするとね。
すごく柔らかな顔して 嬉しそうに笑ってくれるんだよ。



父も母もわたしも みんな
時には困ったもんだよね・・って腹立てたりしながら
それでも いとおしくて。
その命が 存在が そこに居てくれることが
それだけで。

だから 一日でも一分でも一秒でも長く

側に
わたしたちの側に
いてくれることを
願ってる。


できの悪いまま大人になって年を重ねてしまった孫は

命 ってそういうものだって
シワシワのシミだらけのその手の温もりから
今も ずっと教えられている。


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ゆうなぎ [MAIL]

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