その顔は歪んで醜かった。
投げ付けられた言葉以上に そのエゴ丸だしの状況の醜さに耐えられず そうして わたしは逃げた。 逃げて 憎み続けた。憎み続けて いる。 今も。 たぶん これからも ずっと。
忘れられず忘れようとも思わないから 時々 開かずの扉は不意に開き わたしは思い出して また何度も何度も 吐く。
もう 空っぽになってもいいはずなのに それでもそれは詰まってつかえている カタマリ。 無くなったはずのものが 後から後から吐きだされる。
そんな時のわたしの顔は多分やっぱり同じように 人を耐え難くするほど醜いだろう。
知りながら でも 憎む。 ずっと。
絶対の正義ってヤツを信じることができるなら 楽なような気がする。 実際 信じてた幼かったあの頃。 それは必ず自分の側にあると。 純粋という名の残酷さ。迷いの無さ。
憎悪している。憎悪し続けるだろう。 憎悪されていて。憎悪され続けられるだろう。
現実。
正義ハ ワレニアリ 哀しいほど滑稽で醜く。
それでもそう信じていないと どうしても生きていけない時もあるんだ と いうこと。
ツヨクもヤサシクもありません。 わたしが持っているのは 削りながら取り繕う ツヨサ と 粉々に壊したいほど脆い ヤサシサ ばかりで。
醜く傷つき傷つけ生きてる。 みんなどこかに傷抱えて隠して。 きっぱりふたつになんて分けられるはずない。
一点の染みひとつ無い白がないかわりに黒一色の世界もないことを。
それを それだけは 知った。
沢山のものを引き替えにして。
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