++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2005年05月02日(月) 深層恐怖

昨夜 Kから
長時間の座り仕事で腰を痛めたみたいだという電話があり。
それ自体は確かに良くあることだけど かなり痛みが酷いようで。
湿布をしても痛みが取れないまま 朝を迎えたようなので
今日 救急病院で見てもらうことを勧めた。

ちょうど整形外科の先生がいてレントゲン撮っても異常なく
とりあえず痛み止めを貰って帰ってきたと昼過ぎに報告Tel。

夜になっても芯の痛みはまだあるようだけど薬のおかげか
だいぶ楽にはなったらしく 「早めに休んで様子をみてみるね」と
メールがあった。


わたしは昨夜からKから聞いた症状とそれが当てはまる可能性の
ある病気の検索をずっとしていた。
馬鹿みたいに何も手につかなくて
食欲も全く無くなって。
どうにも心配で堪らなくて。
ほんの少しの不安の芽でも摘み取って安心したくて。


他人から見れば多分心配性にもほどがある と思われるだろう。
けれど わたしには病気に対しては過敏なほどの怯えがある。

怯えというよりも恐怖心。
深層心理に刻み付けられた。

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アノヒトの時も始まりはほんの軽い小さなモノだった。
でも それが最期にはその命を喰い尽くした・・。


もう 嫌なんだ。耐えられないんだ。
命(ひと) を 失くすのは。
それを 見ることは。

アノヒトが逝くまでの時間をこの目でずっと見ていた。
目を閉じることも耳を塞ぐこともできず 
ずっと見ていた。
 
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怖いんだ。怖くて堪らないんだ。
遺されることには もう耐えられそうにない。


Kは笑って 大丈夫だよ っていう
心配しないでいいからね って


もちろん 大丈夫で
ほんとに心配性なわたしときたら
おかしいよね って自分にも言い聞かせる。



でも 身体の震えが止まらない。
怖くて怖くて怖くて
もしも 今度 この命(ひと)を失くしたら
わたしは発狂する。

耐えられ ない んだ もう
それだけは ほんとうに お願い どうか。

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何もできない。
何一つできない。

どんな時も
どんな運命にも

それでも
だから
祈る
願う

無力な無力な
この掌握り締めながら。

祈り続ける

お願い
お願いします
どうか
どうか

もう



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そうして



わたしは

最期まで
発狂しても
辛いと耐えられないと
醜く悪態をついても
その力さえ無くなって
ただの息をするモノになっても

自分から命を捨てることだけはしまい と
そう言い聞かせる。
根性も勇気もないから
何処まで貫けるかわからないけど
みっともなく足掻くだけ足掻いて終わるかもしれないけど

それでも

それは
もしかしたら

ちっぽけな臆病者の わたし の 

精一杯の密かな反逆の決意かもしれない。
掠れて声にならないけれど雄叫びかもしれない。


運命という名の神様への。





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:誰かへの報告みたいなもの:


「キノの旅」遅ればせながら 読んでます。
たまたまアニメの方から2話ほど偶然見たのが始まりだけど。

辛い話や考えさせられるような物語は 
この所 耐えられなくてずっと敬遠してきたのだけど
不思議と この物語は読みたい と思って
一気に今まで文庫で出ている全巻を買ってきてしまいました。

淡々とそこにありのままに差し出されているだけだから
わたしにも読むことができるんだと思う。

そこにあるのはそれぞれの時間と命と運命と
デフォルメされているようでいてとても
ある意味 ありふれている何処かで重なる物語。

そうしてキノは旅人。
それ以上でもそれ以下でもない。

ただ 抱えて背負いながら 旅を続けている。


勝手な解釈と思い込みかもしれませんが。
キノの旅に魂を寄り添わせてみたくなったのかもしれません。

そんなことを想いながら。


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ゆうなぎ [MAIL]

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