コミュニケーション。
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「俺さぁ、ユミのことどこが好きかってよくわかんないんだけど、
ここだけはってのがあるんだよね」
抗議はしたんだ。 うん。 あたしは抗議した。
「何であたしがそんなこと、聞かされなくちゃいけないの」
いつもの、シカトである。
「あの人ねぇ、全然妥協しないんだよ。
頑固ともいえるけどさぁ、自分ってものを持ってるからさぁ、
見習いたいなって」
はいはい
あたしの目指すところの女としては、 そうなんだー、いいよね、そういうのってすごいよね、 と軽く流すところなのだが、 どうにもこうにも不機嫌になってしまって、
「ふーん、そういうのっていいね(棒読み)
わかったわかった。
さっさと結婚すれば」
と返すのが精一杯だった。
そのフォローなのかなんなのかよく知らないが、
「マリちゃんのいいところも教えてあげようか?」
というので、
「いや、いい。
聞きたくない」
とまた拒否したのだが、 結局彼は喋りだす。
「マリちゃんのいいところはね…
一途なとこ。
いろんな男にフラフラするけど、
結局は俺のこと好きなんだもん」
お前は幼稚園児か。 8年の人間関係で、 あたしに関して知ってることはそれだけか。
ユミちゃんの性格はよく見てるくせに、 あたしの性格なんぞ、 君を好きなこととプライドが高いくらいしか知らない。
結局あたしが君を好きなように、 君は君が大好きで、そして選んでいるのはユミちゃんだ。 そのことを会話でも確認したのに、 あたしに触れたいと、抱きたいと、 未だにねだる、ねだれる君がわからない。
もういい加減にして。 あたしに触らないで。 こないだの課題のお礼のラーメンもいらない。 会いたくない。 顔も見たくない。
あたしに、さわらないで。
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