コミュニケーション。
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2007年01月14日(日) 適職ってこれなのかしら





小田が電話してきた。





「寺島がね、最近あたしのこと、

マリちゃんってよく呼ぶから、気持ち悪い」



と冗談で言ったら、



「へー、そうなんだマリちゃん」



ってあっさり呼ばれて、
とてつもなく恥ずかしくなった。
よく考えたら、
君があたしの下の名前を呼んだのは、初めてなんじゃないかな。



夏に遊びにくる、と言ったくせに、
連絡を寄越さなかったので、
きてないんだろう、と思っていたら、
きてたけど、あたしに連絡してなかった、らしい。



「やーーもう小田嫌いーー」


そう叫んでも、
笑ってくれるのは、君だけだ。
小田は、
時間がなかったんだよ、ごめん、と、
屈託なく言った。




「今年の夏は、デートしよう!」




またあっさりと、
デートという単語を出してくるので、
顔が赤くなるのがわかった。
勿論、深い意味は全然ない。
なんせ、行くところは某遊技場だからだ(笑)
CRエヴァ3を打ちに行くらしい。



でもでも、
冗談でもやっぱし、
君と「デート」なんて、嬉しすぎる。




「小田とデートだなんてー♪

長年の夢が叶うー♪」




それは言いすぎだけれど、
なんだか、
初恋が報われる、というか、
今になって、少しだけ形になるというか。

あたしのセリフに、
小田は笑っていた。


不思議な感じだ。
うきうきして、少し涙が出て。
中学生だったあの頃、7年後にまた笑ってるなんて、
思ってもなかった。
まぁ、未来なんて視界にも入ってなかったけど。



胸が痛いのを押さえつけて、
必死で電話して、好きって言ったっけ。
本当に本当に、全力だったな。
駆け引きも、ウソも、見栄も、何もなかった。

ただ、君が好きだったよ。





それは完全に過去形で、
うきうきしたり、嬉しかったりするのは、
君とあたしの距離が遠いからだって、
ちゃんと知ってるんだけどね。


他人のありのままの姿を知るって、
楽しいことだけじゃないもの。




*****************





それにしても、
何故、転校していった小田との交流が続いているかといえば、
何を隠そう、
小田が、首都へ行った後、私に電話してきていたからだ。

きっかけこそ私で、
幸子に、
「小田のこと好きなら電話すれば?」
と言われ、
本当にしたことが最初だったけれど、

その後、毎日のようにかけてきたのは小田だった。
あれは何だったんだろう。
今思えば、
環境の変化で、いろいろと疲れてたのかもしれない。
聞いて欲しかったのかもしれない。
自分のことを好きだと言った、私に。



つくづく、私って、
聞き役に命ぜられるのだな、と、客観的に思う。
寺島、小田、カメラマン…。
みんな、好き勝手、話してくれるわよねぇー。
世間話だけなら、いいけど、さ…。
そんなに私って、聞き上手かな。
愛想、いいもんね。

そう書けば、
聞き役というのはとても名誉なことだと思うし、
別に、皆つまらない話をしてくるわけじゃないから面白いし、
確かに、自分が笑わせるよりも、
人が笑ってるのを見るのが好きだけど、
私は子どもなので、時々疲れる。
その反動が、藤原君だと思う(えれぇ迷惑)


私の愛想がいいのはね、
なんてったって愛されたいからに他ならない。
そりゃぁね、寺島は、
何だかんだ言って、愛してくれてると思うけど、
行動が伴わなきゃ、どうしようもないじゃない。
(多分このへんは、ユミちゃんと語れると思う)



でも私って、本当はお喋りなんだよ(バレてるか?)
てことは、
私にいろいろ喋ってくれて、
私のお喋りも聞いてくれる人、がいいんだろうな。




今は、誰も私の心にいないなぁ、って思った。
峰さんがこういう人だったらいいな、
とかいう妄想しかない。
ってことは、峰さんすらもいないってことなんだと思うんだよね。
うっすら、シルエットと手の温度くらいはあるんだけど。

寺島も、追い出してしまったし。
ダレカさんなんか、いるわけないし。


そういう時期なんだなぁと思った。
何よりも迫ってるのは次の職。


さー、頑張って職務履歴書を書かないと。





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