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先週末に、前の会社の上司であるT副部長の送別会に出席した。
T副部長は46歳。前社にて23年勤め上げて来た人だ。 この度、前社にて早期退職募集が行われたらしく、T氏は応募して今回の退職が決定した。 次の就職先は決まっていて、大手広告代理店の子会社とのこと。
そのT副部長は、ワタシが社会人になったころには課長職で、 新人の時から、仕事とは何たるかを教えてもらった方の一人である。
ワタシが以前所属していたチームは、T副部長のもと大手M社を担当する10人ほどのチームであったが、 T氏は十数年間ずっとM社を担当してきた人である。ワタシはそのうちの8年間をT氏と一緒に過ごした。
そして、ワタシ以外にもM社の仕事に携った人達が大勢いる。 今回のこの送別会には、前社残留組と、ワタシのような転職組あわせて、過去十数年の間にM社を担当した歴代のメンバーが一同、東京・銀座の会場に集まったのだ。
特に、ワタシがかわいがった(かわいがられていた笑)後輩達に逢えたのはうれしかったし、新人の頃からお世話になった一番近い上司、UさんやK副部長と久々に飲めて楽しかった。また沢山の大勢の久々の人達に逢えてよかった。副部長を真ん中にして、自然と昔話に花が咲く。
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ワタシが辞めた後に仕事を丸投げした、カワイソ〜な後輩3人衆 |
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「T副部長、記憶喪失とか失踪とかしてましたよね?、あ、失踪は云っただけ?」 「T副部長、いつもいいこと云おうとするんだけど、肝心な時にカンじゃうから〜」 「ハラは徹夜するといつも5階のB応接のソファで寝てて、朝、受付に起こされてたな」 「朝来たら、K副部長がオフィスの床で直に寝てるのを目撃した時はびっくりしましたよー!」 「あの時のMチームは、4人ぐらい鬱で休んでましたよね?」
「Jnはメルセデス大破して、今は何乗ってんの?」 「Yっちゃん、もうそっちに骨埋めるの?」 ところで支店長は元気?時々犬BBSに来てるけど…」 「Trちゃんは、いつになったら嫁さん家を継ぐんだよ! お嬢際が悪いんだから!いいかげんあきらめたら?」 「Yはまだ五反田いってんの?」「全然行ってますよ!」 「Trちゃんはあいかわらず、六本木いってるの?」 「Nはどーすんの?今のところ辞めれないわけ? でも、みんな手ぐすね引いて待ってるよ!」
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とてもワルそ〜な元後輩3人衆 |
「その案件名は聞きたくないっ!、その地名も聞きたくないっ!笑」 「そういえば、今の『TOTO』なる前の『サッカーくじ』の制度PRとかしてましたよね?」 「しかし、丸ビルイベントはよくやったわ〜…」 「Kさん〜、昔はよくT副部長に段ボールを投げつけてましたよね?!」「1度だけだって!」 「ハラさんの犬ブログこの前初めて見ましたよ!どーしちゃったんですか?!犬なんて!」 「Kさんは、仕事がヤバくなるとよく、山の地図を見て恍惚モードになってましたよね〜」
「昔、深夜にチーム全員残って、インクが乾かないパンフレットをドライヤーで 乾かしてましたよね〜?、確かTさんの物件ですよ。会社内にドライヤーが無くてさ〜」
「それをいうなら、駅貼ポスターが納品日に間に合わなくって、チラシを切り貼りして ポスターをつくるのもみんなで残ってやりましたよね?、Oさん担当でしたっけ?」
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ワタシが前社で所属していたM社チームは、今回辞職するT副部長と、もう一人、 T氏の下でずっとM社を担当して、T氏を支えて来たK副部長がいる。
K副部長はこれまで、チームのメンバーとの別れに 何度も立ち会って来た。ワタシもその別れた一人。
さらには、様々なメンバーが鬱になり病になり、 戦線離脱をする中で、一度も長期離脱することなく、 チームを支えて来た人がK副部長なのだ。
T氏も今回会社に辞表を出すに際し、K氏に何と云って 話したらいいか、とにかく悩んだらしい。 ワタシもK副部長への辞意告白は悩んだ。
部下・同僚、そして上司・・・、 同じチームで同じ仕事をしてきた人達の、様々な去り際に 立ち会って来たK副部長にとって、今回のT副部長の辞職は、 特別に期する想いがあったに違いない。
一次会にて、全員でT氏にへの挨拶をする場で、 K氏は、言葉にならない挨拶をT氏へ贈った。 |
ワタシの前職の上司2トップ。T氏とK氏。 |
K副部長のように、同じ場所に留まって会社のために勤め上げて行こうとする人。 T副部長のように、それほど多くはない残りの仕事人生で、家族のための決断をした人。 ワタシも含め他の20〜30代の人間のように、一つの所に留まらず、 可能性を見つけていこうとする人。 まだまだ若く、今の会社で勉強してキャリアを積む事だけを考える人・・・。
それぞれの人生を、それぞれの方向を向いて歩きながら、 ある一時期に、同じ会社の同じ机で、同じ仕事に従事したという「接点」が、 この日、銀座に集った人達の唯一の共通項だ。
そんな「点」で結ばれた人達が、30名弱も集まったということと、 再びそれぞれのベクトルへ向かって進んでいる様をみたことと―。 何だかとても感慨深い気持ちになると同時に、皆の生き様を見ながら、 現在の自分自身を『引きの視点』で見ていた。
二次会のカラオケで誰かが GLAYの昔のナンバー『BELOVED』を入れた。
これがなぜだか知らんが、場にハマった。
あくまでシンプルな恋愛ナンバーであるはずが、いい年のオトコ達が 全員がスタンディングモードとなり、得も云われぬ一体感に包まれた。
マイクを握って熱唱するのは、T副部長とK副部長の往年のツートップ。
オッサンも若い衆も、クールな奴も熱い奴も、みんないい顔をしていた。 妙にセンチメンタルでノスタルな空気が室内に立ちこめていた。
♪ いつの日も さりげない暮らしの中 育んだ 愛の木立 微笑みも涙も受け止めて 遠ざかる なつかしき友の声を 胸に抱いて 想いを寄せた いくつかの出逢い いくつかの別れ くり返す日々は続いていく
やがて来るそれぞれの交差点を 迷いの中 立ち止まるけど それでも人はまた歩き出す・・・・
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また、いずれ逢う日まで、皆はどんな道を歩むのか? ワタシはどんな人生をたどっていくのか?
幾つになっても、想い悩み、迷うだろうけど、 一歩一歩自分の道を進んで行こうと、改めて思った夜だった。
060610 taichi
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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