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- 2005年12月14日(水) ∨前の日記--∧次の日記
- W杯展望【第2戦】「クロアチアには絶対に勝て!」


「したたか。でも勝つしかない!」


第2戦 クロアチア 06年6月18日(日)18:00 ニュルンベルク







■あれから7年・・・成熟した組織力。


フランスW杯のクロアチアを覚えているだろうか?
日本は第2戦で対戦し、拮抗した展開の中、スーケルの一刺しで敗れたあの試合だ。
ちなみに当時ハラは、赤坂の貸し切りバーで20人程の仲間たちとその試合を観ていた。
スクリーンにゴールシーンが映し出された時、一瞬にして店内が静まり返ったのを覚えている。


余談はさておき、

ACミランの司令塔のボバンに、テクニシャンのプロシネツキ、FWのボクシッチやスーケルなど、
華やかな攻撃タレントが揃ったチームは、最終的にW杯3位の栄誉を手に入れた。

あれから7年、あの時と同じく第2戦で、再びクロアチアと相まみえることとなった。
今回のチームは、あの時のチームと比べると素人目には全く派手さがない。地味である。

しかし、7年前に対戦した時、何やら不思議なしたたかさを感じなかっただろうか?
そう、派手さは全くないが、この国が持つ不思議なしぶとさやしたたかさが、7年前と比べて
しっかりとカタチにして完成させたのが、2006年バージョンのクロアチアなのだ。




■現在選出中のクロアチア代表一覧 
《名前の横は(年齢・身長/体重)》

========================================
GK ブティナ(31・191/88)・・・・・・・・・・クラブ・ブルージュ(BEL)
GK プレティコサ(26・193/88)・・・・・・・・ハイドゥク・スプリト(CRO)
DF トゥドール(27・192/88)・・・・・・・・・シエーナ(ITA)
DF ロベルト・コバッチ(31・182/78)・・・・・ユベントス(ITA)
DF トマス(29・186/82)・・・・・・・・・・・ガラタサライ(TUR)
DF シムニッチ(27・195/89)・・・・・・・・・ヘルタ・ベルリン(GER)
MF クラニカル(21・185/80)・・・・・・・・・ハイドゥク・スプリト
MF セリッチ(30・181/73)・・・・・・・・・・パナシナイコス(GRE)
MF ボスニャク(26・180/72)・・・・・・・・・ディナモ・ザグレブ(CRO)
MF スルナ(23・182/77)・・・・・・・・・・・シャフタル・ドネツク(UKR)
MF イェルコ・レコ(25・186/77)・・・・・・・ディナモ・キエフ(UKR)
MF ニコ・コバッチ(34・176/72)・・・・・・・ヘルタ・ベルリン(GER)
MF バビッチ(24・186/72)・・・・・・・・・・バイヤー・レバークーゼン(GER)
FW プルソ(31・187/76)・・・・・・・・・・・レンジャーズ(SCO)
FW クラスニッチ(25・186/76)・・・・・・・・ベルダー・ブレーメン(GER)
FW バラバン(27・180/78)・・・・・・・・・・クラブ・ブルージュ(BEL)
========================================
■欧州予選グループ 8 日程・試合結果
vs スウェーデン・・・H(05/10/08)1○0 / A(04/09/08)1○0
vs ブルガリア・・・・H(04/10/09)2△2 / A(05/06/04)3○1
vs ハンガリー・・・・H(04/09/04)3○0 / A(05/10/12)0△0
vs アイスランド・・・H(05/03/26)4○0 / A(05/09/03)3○1
vs マルタ・・・・・・H(05/03/30)3○0 / A(05/09/07)1△1

予選通算/10試合 7勝0敗3分 21得点5失点
========================================








■クロアチアは穴のないチーム。



このチームもはっきり云って強い。
何しろ、スウェーデン・ブルガリアなど強豪ひしめく欧州予選8組を無敗1位通過したチームだ。
それも取り憑かれたかのようなラッキーではなく、10試合で21得点5失点6完封と、
安定感があるしたたかな勝ち上がり。特にあのスウェーデンを2試合とも完封しているのだ。

スウェーデンといえば、ユベントスのエース・イブラヒモヴィッチとアーセナルのリュンベリを
擁する攻撃的なチーム。その攻撃を無失点に押え込んだ鉄壁の守備がこのチームの特徴だ。
クロアチアは、F組4チームの中で最も「穴のない」チームである。







■プレッシング&ポストプレイ!

※右画像をクリックすると、
別画面でさらに大きくなります。


CFとボランチという守備の屋台骨を、
ロベルトとニコの
コヴァチ兄弟が支える。
もう一人のボランチに屈強なトゥドールを、
左右のCFに高さの
シムニッチとトマス。

クロアチアの戦術の基盤が、この5人の
安定したディフェンスから始まる。
これを破るのは難しい。

攻撃はオーストラリアと同様にCFのエース
プルソのポストプレイが中心となる。

プルソは俊輔と同じスコットランドリーグ
に所属。強豪のレンジャースのFWで、
昨季はリーグ4位の18得点を決めている。
中沢よ、ビドゥカの次はこいつだ。


日本には中盤を厚くした3-5-2の布陣で、
高い位置からプレスをかけてくるはず。






日本は、ディフェンスに関しては、プルソと21歳の司令塔クラニチャルをつぶすことだ。
彼は実はクラニチャル監督の息子であり、本国では「えこひいきだ!」と云われるなど、
日本で云う所の俊輔同様に地元の話題の中心だ。彼を調子に乗せて創造性を発揮されると、
チーム全体が乗ってくるはず。彼も自由にさせないこと。

オフェンスに関してはとにかく鉄壁ディフェンス陣の攻略だ。どんなに攻勢になっても
ダブルボランチと3バックの5人は上がらずに、押し上げながらいつでも備えている。
サイドからの崩しは難しいだろう。たとえ崩してセンタリングしたところで、
ガタイにいい最終ラインにことごとく弾かれるだけだ。密集状態では何もできない。
高さや肉弾戦では相手にならないならば、やはり敏捷性と運動量で挑まないとダメ。
サイドへのパスは見せダマとして、本命勝負は中央からの崩し。そのためにも、
アレックスと加地は深く切り込み、屈強ボランチをサイドへギリギリまで誘ってほしい。
そして中央の俊輔とヒデに、できるだけ自由なスペースをプレゼントしてやること。
その状態まで持って来てやっと、強さと早さのガチンコ勝負ができるだろう。










■ブラジルとの試合では
 一転してディフェンス一本!


※右画像をクリックすると、
別画面でさらに大きくなります。



日本にはプレッシングな3-5-2でいくが、
ブラジルのように攻撃的なチームには
プルソを1トップにした布陣に変更。
ディフェンスシブにカウンター狙いに
徹するのだ。この辺もしたたかだ。

大事なのが、いずれのシステムも、
あくまで5人の守備陣が基盤をつくり、
その上でオフェンス陣を踊らせるのが
クロアチアのベースなのだ。

オフェンスの踊り方と踊る位置と頻度が
異なるだけで、ディフェンスは基本的に
変わらない。いつでも待ち構えている。

そつがなく、しぶとそう。


まず点をやらない。
そしてFWの決定力というよりも、
守備をベースにした組織力で
相手から点をしぼり獲るのがこの国だ。




これ、
日本がやりたい戦い方と似てないですか?




誰かが飛び抜けた仕事をするのではなく、皆が高度なレベルで平均的に仕事をする。
その結果としてゲームが終えた時には、相手を完封し、相手から1点をもぎ取っているのだ。
日本がやらなきゃいけないサッカーを、クロアチアは高度なレベルでやってくる。

全体の仕事の密度は、日本もクロアチアも変わらない。
どちらも各個人がチーム全体のために高いレベルの業務をしているはず。


では、世界を相手に
ゼロに抑えて1点をもぎ取れるか否かの、
両者の差は何か?


突き詰めるとそれは結局、絶対的な体格差と絶対的な経験値による違いなのだ。
その余裕と安定感が、プレーの精度や自信の差となっている。



試合ではその差がワンプレーごとに塵が積もるごとく重なっていって、
気づくと痛恨の失点をしているのだ。それだけの話であるが、
それだけの差が0−1の間に横たわっている。

冷静かつ順当に想像すれば、
クロアチア戦は7年前と変わらず、似たような展開となるだろう。

引き分けの可能性が5割、0ー1の惜敗が3割、
1−0の勝利が2割…
といったところか。





*************************************




■でも、クロアチアには絶対に勝ちたい!





監督や選手の日本戦の展望コメントを聞いただろうか?!
「日本戦は勝ち点3を確保する試合」などと皆揃ってコメントしている。
何だかめっちゃナメられとるで!(云われても仕方ないが…)



話に聞くと、あまり日本の事情を知らないまま、そのような強気な話をしているらしい。
多分、事情を知ったところで答えは同じかもしれないが、この話でハラが云いたい事は、
クロアチアの国民性は、相手も見ずに強気な事を云えちゃうほど自信家で、
相手を甘く見る傾向のあるのだ。ここを突きたい!どんどん突きまくりたい!



例えば、コンフェデ杯のブラジル戦、開始4分に見せた加地の幻のゴール。
テキトーなテンションでぬる〜くプレーしようとしていたブラジルに対して、
強烈なビンタをお見舞いしたプレーであった。そういうのがほしい!早い時間帯で!

ま〜あの時は相手がブラジルだったために、寝ている子を起こした結果
思いっきり逆襲を浴びて、6分後にロビーニョの一発をお見舞いされたわけだが…。




それはさておき、クロアチアDF陣に対して、彼らの予測以上のプレーを
どれだけ早い段階から見せる事が出来るかどうかだと思う。
彼らは、体格と経験という大船の中で、悪く云えば相手を見下すような精神状態で
プレーしていることが、安定したディフェンスに繋がっているのだ。
「お前らの動きや考えなんて、お見通しなんだよ」という余裕を早い段階で壊したい。

まずは、予想を超えた日本のパフォーマンスを開始直後に何度か見せる。
驚きを与えた後は、普通のグズグズの日本を見せている時間もあっていい。
あえて、クロアチアDFを半信半疑のまま放置プレイさせておくのだ。

そして、前半終了前か、後半開始後、または後半中盤の選手交代後…等と全員で決めていて、
そのタイミングで皆が一点集中して、5分間だけ最高のパフォーマンスを発揮する。
前述の3〜4度の仕掛けのどこかで、必ず1点もぎ取ってくること。





スター選手がいなくて地味な印象。
一瞬「勝てそうだ」と思える・・・それがこのチームが仕組むワナなのだ。

「勝てそう・・・」では勝てない。
「勝つんだ」でないと勝てない。



ナメられまくりだし、とにかく2年前に負けてんだから、
予想はさておき、今回絶対に勝つしかない!!



051214
taichi

...
    

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