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- 2005年03月29日(火)
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- ソニーよ、早くアップルと提携したら?
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先日3月7日、ソニー会長兼グループCEOの出井伸之氏と、 社長の安藤国威氏、副社長の久夛良木氏が6月22日付けで退任することに伴い、 同社の新会長兼グループCEOにハワード・ストリンガー氏、 新社長兼エレクトロニクスCEOに中鉢良治氏の就任が発表された。
社内取締役8人のうち7人を退任という経営刷新は、 ソニーの凄まじい危機感と大変革の必要性を表している。
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出井ソニーに トドメを刺したのはアップル?
02年第3四半期の営業損益が1161億円の大赤字となり、 03年4月にソニー株価が大暴落した「ソニーショック」。 ソニー失墜の根源は、本業のエレクトロニクス事業で利益を稼げなくなった事らしい。 消費者が多少高くても「ソニーブランド」に対価を払った時代は終わったのだ。
ブラウン管TV時代の盟主であり、「世界のウォークマン」のソニーであったが、 TVは液晶への移行が遅れ、「ハンディカム」「バイオ」といった 屋台骨を支えてきた花形商品も売れなくなってきた。
こうしたエレクトロニクス事業の不振を補っているのが、 プレステや映画・音楽などのコンテンツ事業であるらしい。
だからといって、今回の人事で噂されていた、プレステの生みの親で、 ソニー・コンピュータ・エンタテイメント社長であり、ソニー副社長の 久夛良木氏を社長にせず、エレクトロニクス畑の中鉢氏を社長にしたのは、 ソニー復活の鍵は、あくまで本業のエレクトロニクス事業にあって、 それはコンテンツとの融合の中で復活させるべきという方針だからだ。 その代表的なものが、アップルの「iPod」に奪われた 「ウォークマン」の市場を取り戻す事であろう。
新会長のストリンガー氏も新社長の中鉢氏もこのように語っている。
「iPodは、ソニーが出すべき商品だった…」
03年の「ソニーショック」を受け、立て直しを図るべく、 中期経営計画「トランスフォーメーション60」を掲げた出井前会長であったが、 フラットパネルTVに注力してきたシャープの後塵を配し、そして昨年、 TVと並ぶソニーのエースであり、ソニーブランドそのものだった 「ウォークマン」が、アップルの「iPod」に制圧されてしまった。 ソフトとの連携、デザイン、機能性・・・エレクトロニクス部門での ソニーのお家芸ともいえる部分で、完全に圧倒されたのだ。
出井氏は、 アップルにトドメを刺されて退いた、 といっても過言ではない。
なんとも皮肉である。
かつては提携を模索した相手に引導を渡されるとは…。
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ソニー VS アップル
この2社はこれまでも数度、提携話が上がったり、 ライバルとして相まみえたり、何かとカラミがある。
その昔、ソニーとアップルは密接な関係があった。 例えば、3.5インチFDドライブの先駆けは、 ソニーがマッキントッシュのために開発したものだったし、 その他Mac製品にはソニー製のものがしばしば使われていた。
こうした関係を持っていた2社は、 当然の流れで資本提携を考える事になる。それが89年の頃。 その提携を当時の上層部に提案したのが出井氏だという。
しかしソニーは 一方で、米映画大手・コロンビアの買収も考えていた。 この買収は一旦は取締役会で否決されてしまうのだが、 当時のカリスマ経営者・盛田会長の一言で買収を強行。 映画好きの盛田会長の衝動買いで、アップルとの提携は合意寸前で破談。 有名な話だが、いやはやこれが破談になってなかったら、 と思うと、今の勢力図は全然変わっていたのかもしれない。
85年〜95年、創業者ジョブズが居ないアップルの10年間、 マッキントッシュのOSは基本的には何も進化していなかった。 Macユーザーの私は、歯ぎしりする思いでアップルを見ていた。 さらに、95年に互換機ライセンス事業を始めた事により、 互換機同士で少ない市場を食い合って、アップルは業績不振に陥る。
日本においては、95年に出井氏がソニー会長就任後、 97年に発売した「バイオノート505」が市場を席巻した。 特に、満足のいくノートに恵まれないMacユーザーが、 こぞってバイオノートを購入していったと思われる。 日本ではこの時、ソニーがアップルに引導を渡しかけたのだ。
情報元は確かではないが、 アップルCEOのジョブズは大のソニーファンで、 バイオにMacOSの搭載を持ちかけた事があったとか…。
同97年、アップルは何とマイクロソフトと業務提携して、 Mac版OfficeとIEの開発を依頼する。 そして赤字の互換機ライセンス事業を打ち切った。
アップルがPC市場で復活したのが98年、 「iMac」を発表してからである。つづいて「iBook」も発表して、 PC市場はソニーとアップルの2強状態になった。
そして2001年、アップルから HDD携帯音楽プレーヤー「iPod」が発売される。 この時のソニーは、自社規格のMDに固執して完全に出遅れた。 さらには、アップルを追って出された「HDDウォークマン」も、 やはり自社規格「ATRAC」に固執した商品で伸び悩んだのだ。
それ以降、現在に至る経緯は周知の通りだが、2002年頃、 実はソニーの出井会長とアップルのジョブズCEOが、 音楽ダウンロードを含めた相互戦略や一般技術の位置づけについて、 何度も会合して話し合っていたらしい。
それに関して出井会長は、 「ジョブズと仕事をすることは悪夢」と云いながらも、 「ウチの社内のジョブズに似た人物(プレステ生みの親・久夛良木氏) となら、面白い事が出来るかもしれないけど…」などと語っていたらしい。 さらには 「アップルとは緊密に仕事をしていきたい」とも語っていたとか。
経営的視点ではジョブズとは合わないと思いながらも、 やはり目指すところは一緒だという思いが見て取れる。
今年1月のMac World EXPOでは、 ジョブズCEOの基調講演のステージ上に、このたび退任となってしまった ソニーの安藤国威社長が招待されて壇上に上っていた。 「ソニーが自信を持って作るハードと、アップルが家庭のユーザーでも 簡単に楽しめるアプリケーションを作って行くことで、HDが家庭内でも (作る)楽しみが味わえるものとなる」と安藤社長は話したらしい。
そして先月、次世代DVDについて、 アップルがソニー陣営のブルーレイディスクの支持を表明。
iPodで引導を渡されたソニーの復活策は、 アップルへの対抗ではなく、アップルとの提携しかないっ!と こういう流れからも思っていたのだが… 出井氏も安藤氏も去り、ジョブズに似てると云われる久夛良木氏も 副社長の座を退き、子会社のSCE社長のままとなった。
つかず離れずのこの両社、 やはり、提携という選択肢は無いのだろうか?
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やっぱ、ソニー & アップル!
悪い事は云わないから、 提携しなさいっ!と、いち消費者として云いたい!
何だかんだ言って、この日米の企業は、 「モノづくり」に関して同じポリシーを持ち、 同じ空気感のブランド力を有し、 同じ顧客層をターゲットにしている。
両社ともガレージの工場から始まった会社だ。 モノづくりに対する情熱は、他の電機メーカーの比ではない。 情熱が故、両社とも「信者」とも呼べるファンを有する。 おまけに、壊れやすいとこまで一緒だ苦笑…。
アップルが「モノづくり」を忘れたのは、 スティーブ・ジョブズが居ない10年間であった。 アップル不遇の10年である。
ソニーは今、アップルが経験した10年間と同様の時期にある。
出井氏は確かにカリスマ経営者としての手腕を発揮し、 経営的にはグローバルな視野でひとつの成功を収めたものの、 久夛良木氏のSCEの子会社化に代表されるように、 技術屋達を閉じ込めてしまったのが失敗であった。
自社規格に固執した商品戦略、ブランドにあぐらをかき、 表だけソニーブランドで中身は他社製品という商品の乱発。 自前で創るとコスト高だといって、TV用の液晶パネルを 韓国のサムソンから買ってる場合じゃないぞ!シャープを見ろ! 基本に戻って液晶に命をかけたからこそ復活したんだ。
さらにはアフターサービスの手抜きなど、 かつてのソニー魂のない箱だけのブランドが 徐々に剥がれてしまった結果である。
ユーザー視点に立った技術開発こそが、昔のソニーであった。 この「モノづくり」哲学の出発点はアップルと同じである。
今の時代は、ハードとソフトを切り離しては儲からない時代。 アップルは元々、ハードもソフトも創ってきた会社で、 両者の融合という意識は高い。それがカタチになったのが 「iPod」と「iTune Music Store」だ。
ソニーは、コンテンツ畑出身のストリンガー氏と、 技術畑出身の中鉢氏の起用により、両者の融合を図ろうとしている。
だったら、 ターゲットも理念も方向性も同じならば、 互いに手を結んでしまいましょう!
●ソニー・ミュージック・エンタテイメントが協力して、早く 「iTune Music Store」で邦楽もダウンロード可能にしてよっ! ●でもって、「HDDウォークマン」が「iTune」と連携できたら売れるよ! ●「MacOSX」搭載の「バイオ」を出してよ! ●「プレステ」が「Mac」で動いたら衝撃的ですよ! ●「サイバーショット」や「ハンディカム」が「Mac」に直接つなげたらすごいよ!
似たもの同士だからこそ競い合ってきたならば、 ソニーとって出直しの今こそ手を結ぶ時!
なんだかんだ云って、今まで近いところにいて、 お互いに気にし合ってきてんだから…
ライブドアとフジテレビより こっちの業務提携の方が数倍見たいぞ!
※ちなみに全く余談だが、米アップルの日本法人、 アップルコンピュータ株式会社の代表取締役は 以前、ライブドア代表取締役兼CEOだったそうだ。
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