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動 画 ケ ー タ イ ?
話 せ り ゃ え え や ん 、
電 話 や し 。
(ツーカー広告より)
今年ずっと気になっていた広告がこれ。
ツーカーセルラー 「シンプルフォンキャンペーン」。
ケータイ業界4グループ ドコモ、au、Jフォン、・・・そしてTU−KA。
不況知らずのケータイ業界、 上位3グループは、毎月契約増を続けている中、 ツーカーだけは、下記のアリサマ・・・
電気通信事業者協会(TCA)の資料より。
■事業者別契約数(2003年1月末) NTTドコモグループ 4303万3000件(前月比15万9000件増) auグループ 1358万2900件(前月比11万5000件増) Jフォン 1345万6200件(前月比13万3400件増) ツーカーグループ 382万8100件(前月比2万1300件減)
■事業者別契約数(2003年2月末) NTTドコモグループ 4322万8000件(前月比19万4000件増) auグループ 1371万7200件(前月比13万4300件増) Jフォン 1362万1000件(前月比16万4800件増) ツーカーグループ 380万2400件(前月比2万5700件減)
■事業者別契約数(2003年3月末) NTTドコモグループ 4386万1000件(前月比63万3000件増) auグループ 1404万9100件(前月比33万1900件増) Jフォン 1396万3300件(前月比34万2300件増) ツーカーグループ 378万3300件(前月比1万9000件減)
・・・っ何ツーカー、ヤバクナイ?(語尾あがり気味に)
ツーカーはこれまで、 浜崎あゆみを2001年5月より、 統一ブランドキャラクターとして起用してきた。
スタイルやデザイン訴求で若年ユーザーをキャッチし、 安さで説得するブランディング展開を行ってきたが、 機種・エリア・機能性では他に全く歯が立たず、
正直なところは、
あゆブランドでなんとかしてくれ!
っていうだけの切ない他力本願な広告展開であった。 (ヒョウ柄ケータイとかアホかっつーの!)
おまけに、ツーカーのギャラが安く、あゆ本人も CF制作に全くやる気が無かったとか、そんな噂も立つ始末・・・。 TVで「ケータイって嫌〜い」とか云う発言もあったとか・・・
皆、 ツーカーというケータイブランドそのものを危惧している。
ま〜、俺が危惧せんでも、 将来はauへ統合 されるという話も実際にあり、
すでに市場の評価として崖っプチであるのだが・・・。
しかし、現場の人たち、
販促担当や、広告代理店の人たちは、
ブランドが存続する以上、 常に現状より上方へ向けるべく方策を練り、 ブランディング再構築と新プロモーションを 考えてゆかねばならないのだ。
大変だろーなー・・・。
そして、4月より展開されたのが、 松本人志をブランドイメージキャラクターに据えたキャンペーン。
俺は、ツーカーの現状を十二分に踏まえた上での、 ポジティブなキャンペーン展開として、素晴らしい企画だと思っている。
ツーカーは次世代へは行きません。
動画が見られるケータイはつくりません。
それよりも、つながりやすさに、音質向上に、
料金をすこしでも安くするために、サービス向上に、
すべての資金、人材、時間を傾けたいと思います。
(詳しくはホームページ参照)
逆ギレした。いい意味で。 実に分かりやすい。
(どうせなら、動画ケータイだけでなく、 カメラ付きケータイもやめますと云えば、もっとよかった・・・)
「逆ギレ」「当たり前と思っていたものを否定する」「刺激的」
イコール「松本人志」。
実にストライクな起用だと思う。 サクサクとメッセージが市場に刺さっていく感じがする。
埋もれていたアイデンティティを掘り起こし、 どこよりも高く掲げることに成功した。 他でなくツーカーを選ぶことのメリットが、はっきり訴求できた。
Jフォンとドコモの2機種のユーザーである俺は、 ツーカーというブランドがあることも忘れ去ろうとしていた。 そんな俺がめちゃインパクトを受けたわけである。
ヴィジュアルのあゆから、喋ってナンボの松ちゃんへ。
広告屋としては質の高いキャンペーンだと思った。
そして注目の、 広告後の5月のツーカーの契約件数は、
■事業者別契約数(2003年4月末)
NTTドコモグループ 4407万4000件(前月比21万3000件増) auグループ 1429万7900件(前月比24万8800件増) Jフォン 1416万8100件(前月比20万4800件増) ツーカーグループ 377万4600件(前月比8700件減)
やはり
減だった・・・。
しかし
約2万件前後だった毎月の契約減少を、 約8千件の微減にくいとめた。
これは、すごいことだと思う。
広告によるキャンペーン効果以外の 何ものでもないだろう。
しかし所詮は「減」である。 結果は「契約増加」とはならなかった。
ま、予想通りといえば予想通りなのだ。 これが、ツーカーの力なのだ。
おそらく広告は、効果的な客をキャッチしている思う。
松ちゃんのメッセージにキャッチされた客が興味を持って、 カタログ熟読まではいかなくとも、ちょっとどんなもんなんだろうと、 店員に聞いたりやリーフ流し読み程度にはプランの内容を見てくれたのではないか。 大いなる進歩である。広告効果測定データは知らないが、 広告的は最高の仕事をしているのではないか。
だが、ここまでなのだ。
興味を持ったお客様に、 今のツーカーが実際に説得できる商品力は文字通り、
「安さ」と「分かりやすさ」だけしかない。
巨大市場ケータイ電話、
それだけではもう、客は帰ってこない。
ブランドを顧客に認知させて関心を惹かせるまでが プロモーションの役目ならば、 そこから顧客を歩留まらせるのは、・・・商品力、他社競争力、
それが無い。
■事業者別契約数(2003年5月末)
NTTドコモグループ 4419万件(前月比11万6000件増) auグループ 1448万件(前月比18万2100件増) Jフォン 1430万500件(前月比13万2400件増) ツーカーグループ 375万4600件(前月比2万件減)
■事業者別契約数(2003年6月末)
NTTドコモグループ 4436万1000件(前月比17万1000件増) auグループ 1467万3500件(前月比19万3500件増) Jフォン 1443万9800件(前月比13万9300件増) ツーカーグループ 373万9600件(前月比1万4900件減)
5月は、4月に8千件にくいとめたがんばりの分、 反動をくって2万件減とふくらんだが、 6月の1万5千件減を見ると、明らかに 3月までの毎月2万件オーバーの契約減少ペースを 抑えることに成功している。
しかし確実に ツーカーユーザーは 減りつつある。
いくら広告ががんばろうと、
Xデーを少し先にできるだけの話。
時間の問題なのだ。
ただ、
不況どこ吹く風の、 ボッタクリで奢れるケータイ市場に、
強烈な牽制球をブチ込んだ ツーカーの広告メッセージは、
我々利用客にとって、 実に意味あるものだったと思う。
ツーカー、 あともうひとがんばりだ!
でもやっぱり俺は 買わないだろうけど・・・。
030806 t a i c h i
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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