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宝石は大好きだ。光るから。 何度かここに書いているけれど、光るものが好きなのだ。 電飾の光から輝石まで、きらりと来れば何でもオーケー。
だけど、別に身に付けるのは好きじゃない。ただ見ているのが好きなのだ。 昨年夏、息子を海へ連れて行った時、私は一人で石浜で、波に磨かれた 硝子を探していた。 息子に見せて、海には綺麗なものがある事、そして母ちゃんはすごいと言う事を 知って欲しかったのだが、同行していた母に「あれでは息子が波にさらわれても 気が付かないだろう」とあとで叱られた。
シャコタンと言えば、私にとって連想されるのは車ではなく『積丹半島』である。 海が美しい。ちょっと遠いので、もうずっと行っていないのだが。 日に輝く海も 宝石や硝子やイルミネーションと同じに綺麗だ。きらきらしていて。
大きな声では言え無いが、私がすご〜く好きな光り物があと一つある。 それは外人さんの目だ。青い目とか緑の目とか、宝石と同じくらい傍で見てみたい 物だ。ポスターなんかで外人モデルさんのアップを見ていると、たまに底の透ける 綺麗な海みたいな目をした人が居る。水色に緑と茶が混じっているような。 海草や砂が透ける海だ。うっとりする。 映画などで大アップになった俳優さんの目の色が美しい時も、私はうっとりする。 それがしわしわのお爺さんでも同じにうっとりする。要するに目の色だから。 色の薄い髪の毛も不思議だ。不思議だが「触らせて下さい」とはちょっと言え無い。
余り身近に、国籍の違う人が居ないのだ。お友達で国際結婚をした人がいるが 滅多に会えないのと、やっぱり「見せて」「触らせて」とは言えない。 最近は、もう余り聞かないが、一頃オリエンタルな美しさが大変に持て囃されたとか。 それは解る。 私が彼らを見て思うのはサファイヤやエメラルドと言う所謂『貴石』と言うやつだが 向こうからすれば、差し詰め私たちは『べっ甲』か何かか。
何となく最近女性としてと言う事を 半分諦め、半分諦め切れていない私は 近頃、こんな事を考える。 もし80過ぎまで生きたとして、ちょっと小金を残して、ちゃんと介護をしてくれる 人の居る施設なり病院なりに入るのだ。 そしてそこには青い目の介護士さんが居る。居て欲しい。 そこでやっと ごく近くから、私はそのきらきら光る不思議な石の様な目玉を観察 するのだ。恥かしいとか、そんな事より ただ綺麗だと、お気に入りの ビー玉を見付けた子供の様に嬉しい気持ちになるのだ。 それまで何とか視力は持たせたいので、ちょっとPCも控えめにすべきかも知れない。
だが青い目の介護士さんはやっぱり若い男性であって欲しいと考える辺りが やっぱりまだ80じゃないって言うか。それとも80になってもおんなじなんだろうか。
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