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2005年02月09日(水) |
オンラインゲームの悲恋。 |
PC始めたばかりの頃、オンラインゲームにはまった時期があった。 始めたばかりのゲームにギルドなる物が出来はじめた。これは複数による対戦ゲームで あったためチームのような役割をする。大きい所はちゃんとサイトもあった。 私は『鷹の団』と言うギルドに席を置かせて貰っていた事がある。団員はベルセルクの 登場人物を名乗るのだ。私が入った頃はまだ小さくて、だから人物名も沢山空きがあった。 当時のチームのジュドー君は小学6年生。非常に命中度の高い攻撃をする、正にジュドー の名に相応しいエースだ。「おばあちゃんの家に行くので3日間お休みします」 とか律儀に掲示板に書いて来る、とても良い子でもあった。懐かしいなあ。
オンラインゲームでは話題に詰まると、自己紹介とか会話とか年齢を聞かれる機会が多い。 人の会話を聞いていると10代半ばから20代半ばの人が多い様子。 場の雰囲気を固まらせるのが嫌なので、さり気無く年を誤魔化して参加する事にした。 でも、若い人の話題とか言葉遣いとかは判らない。もし怪しまれたら「うちの地方では こう言うの」などと言おうかと考えていたが特に怪しまれる事もなく、ゲーム中のチャットは 早打ちの練習にもなるし、私は中々楽しんでいた。そのうち問題が起きた。所謂サーバー落ち が余りにも激しいのである。私が遊んでいたゲームの場合は味方機が落ちると、それは 試合に再び戻って来る事は出来ず、チームに決定的な不利をもたらす。 『鷹の団』の皆に顔向け出来ないので、悲しいが一匹狼的に動く事が多くなった。 そんな時、彼に出会った。 彼は10分ごとに落ちて居なくなる私(迷惑ですね)に根気強く付き合ってくれた。 案の定落ちてしまった私が すごすご戻って来ると「勝ちを取って来たから」と誇らしげに 報告してくれる事もあった。男性である事は判るのだが 学生か社会人か、その辺は判らない。 ふらふらしていると仲間の検索機能もあるので捜しに来てくれる。一緒に遊ぶ事が多くなった。 どうせ10分毎に落ちてしまうので(いや、本当に迷惑ですね)サーバーのロビーで会話を楽しむと 言う機会も増えた。 「今、風呂から戻って来たから、飲み物取って来る」 「なに、ビール?」 「うん、ははは」 微妙な会話である。私の頭の中には風呂から帰ると言うと♪下駄を鳴らして奴が来る♪ みたいな風景が浮かんじゃうし(ちょっと古過ぎですね)。 彼とは毎日ゲームサーバーの中で会う。 「次に攻撃を受けたら完全に駄目」 「オレが何とかするから、まだ大丈夫」 何と嬉しい事であろうか。異性に大丈夫と言われた事も異性を見て大丈夫だと思った事も 情けない話だが、もうず〜っと無い私である。
やがて、唐突にその瞬間がやって来る。甘酸っぱい告白タイムだ。さあどうする。 「幾つなの?」さあ、聞かれたぞ。どうする?本当の事を言うか?それでどうする。 いいじゃないか、あの可愛くデフォルメされた投石器、あれが私なんだから、ここでは。 「ええと・・・・・・・・・・・・19?」 「うわあああ、駄目だあっ!!」と彼。何で??一番外れの無い無難な数字を 挙げたつもりだったのに。何で駄目なんですか。「オレ14です」 ・・・・・・・・・・・・その時、PCの前で汗か汁か自分でも判らない物をガマの様に 沢山流しながら私は考えていた。この子も気の毒だけど、私も何だか可哀想。 「幾つくらいだと思ってました?」やっとの事でキーボードを打つと「16くらいかなって」 プラス2歳まではイケルと言う事か。 傷付けないように、そこはリアルはおばさんなので、そっと言う(打つ)。「またきっと」 とほほほほほ、19に言われたんなら許せるでしょ?「またきっと」
つい3日前くらいの宴会でダルビッシュが良いねと言ったら「親子じゃん」 「ダルビッシュ2人分取れるじゃん」と散々だったが、下手をするとあと何年もしないうちに あの子が3人分取れるようになるのね。
回線の異常の原因は某警備会社が定期的に動作確認の信号を送るためだった。 同じ症状がある方、回線は別にひいた方が安心して遊べます。
あと年誤魔化して遊んでいる人はホンの一握りだと思いますので、そんなビクビクしないでも 大丈夫ですよ、多分。ちなみにこれ以降 年は誤魔化してません、さすがに反省しました。
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