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明日 咲く花
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2009年10月05日(月)  つまり、飽きたってこと




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20代 その八
 結婚への道、第八歩 倦怠期


恋愛している男女間の隠し事といったら、まず第一に「浮気」。
その他、何があるかな?
お金?
親兄弟親戚の悪行とか?
おねしょ…とか?←けっこうあるかも…って思ってます。


アイツも、例にもれず、女性の影がちらほら。


アイツに言わせれば「お前と付き合う前のこと」だそうで、
私が怒ると「昔のことや、今はお前ひとりや」などと、
肩を抱き髪の毛を撫でてごまかす。

そう言われれば、「まあいいか」と許してしまう。


前々から思っていたのだけど、私はどうも情が薄いようだ。
人情が薄いのとは違う。
男女間の愛情が薄いのだ。
これは、幼い頃の育ち方に関係しているのかもしれないし、
根っからのものかもしれない。




あぁ、でも若い頃は赤ちゃんや子供を見ても「かわいい」と思えなかった。
子供が大人を見る瞳は、心の奥を見透かされているようで怖かった。
動物も、興味がなかった。
家で犬や猫を飼っていたけど、ほとんど世話をしなかったっけ。




そして、妙に自信家だったりする。
何事にも自信家というのとは違って、男女間の事だけに限って自信家。

容貌や頭脳については「並み以下だ」と落ち込むくせに、
こと恋愛については、
「私が呼べば、必ずアイツは来る」とか。
「なんだかんだいっても、アイツは私の事が一番好きなのだ」とか。
わっけわかんない自信。(笑)

そんな不可解な自信は、現在の私にはみじんもありませんけどね。

まさに「木っ端みじん」に消え去りました。
ある事件のあとからは、私は劣等感のカタマリです。




そう、そう、
アイツは、関西に置いてきた女と連絡をとっていた。
飲み屋の女とも、出来ていた。


男の人たちからは信望はないくせに、
なぜか女性、それも水商売の女性たちには、妙に人気があったのだ。
きっと、あの「あやうい雰囲気」が女性の心をくすぐったのだろう。


アイツの浮気も「ま、いいか」ですませ、
週に1度、会い。
恋愛関係を続けていた二人だったが、
付き合って1年もすると、秋、、、もとい、『飽き』がやってきた。


私は、アイツに対して以前のような情熱を持って愛せなくなっていた。
嫌いになったというのではない。
『イトシイ』と思えなくなっただけだ。



その時分のアイツへの愛情は、他の男性にも持っていた。
「あの男と別れたら、僕と付き合ってよ」と言ってくる男もいた。
けっこう本気でくどかれて、
私も、アイツと別れることを夢想した。



人間、「愛」だ「恋」だと綺麗な事を言ってるが、
結局、自然の摂理に踊らされているだけではないだろうか?

種の保存のために植え付けられた「勘違いの愛」と「性欲」。
それに動かされ、生きているのではないだろうか?

しがらみのない若者は、本能通りに行動する。

あっちと恋愛していたかと思ったら、すぐに別れて、
また新しい恋愛を始めたりする。
「半年も続いたら長い方」なんて、学生の頃、みんな、話さなかった?
それが、自然の摂理の真実。
より多くの種を、より多彩な子孫を残すために、動物たちはたくさんの
雄雌と交わるのだ。



そこで、
私は、アイツに別れを告げた。


「別れたいの」
「なんでや?ワシが嫌いになったのか?好きな男ができたのか?」
「そんなわけでもないけど…、あまり好きじゃなくなった。別れる」


一方的に告げ、さっさと別れた。

なんの未練もなかった。

哀しみもわかなかった。

私は、情の薄い人間なのだ。

愛を必要としない人間なのかもしれない。

愛がなくても生きていける人間なのかもしれない。



一人、二階の自室で本を読んでいると、窓ガラスがコツコツと鳴った。

そっと外を見ると、アイツが小さな石を窓ガラスに当てていた。

私を呼んでいた。外に出て来てくれと、小さな石が言っていた。

私は、それを無視した。

なんの迷いもなく、無視した。




ーつづくー

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