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明日 咲く花
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2009年10月02日(金) その六 本当の別れ
★色が悪い★
卵とレタスのスープ
若竹煮
インゲンの胡麻和え
餃子
発色が悪くて、うまそうに見えない。(T.T)
実際、まずいって?
食ってから言え〜!
↑
押すと続きが読めるよ
20代 その六
結婚への道、第六歩 本当の別れ
いつものように、夜にアイツのアパートへ向かった。
親には、音楽サークルの集まりに行くと言ってある。
実際に、週に1度サークルの集まりがあったのだが、
アイツと付き合うようになってからは、しょっちゅうさぼっていた。
サークルを欠席して、アイツのアパートに入り浸っていた。
トントン
部屋をノックした。
アイツが、そっと少しだけ部屋のドアを開けた。
え?
「まずいんや…」アイツが小声でささやいた。
「なに?まずいってどういうこと?」
少しだけ開いていたドアが、ぐっと大きく開いた。
アイツの後ろにいた人がドアを押したのだ。
B君だった。
B君は、まるで鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔で立っていた。
向き合った私は、呆然としていた。
間にはさまれたアイツは、居心地悪そうな顔で黙っていた。
「とにかく、入れば?」と、B君が言った。
おずおずと私が入り、床に座った。
B君は、私とアイツを見比べて、
「じゃあ、僕は帰るよ」と、去っていった。
一瞬で全てを理解し、出て行った。
これ以来、B君とは一度も会っていない。
狭い町なのに、B君とすれ違う事は一度もなかった。
これまでも、何度も「バイバイ」と別れを告げたB君だったが、
とうとう本当に、B君と別れたのだ。
そして、アイツはこの土地・北海道の十勝の田舎町で、
唯一心を開く事ができた友達を失ったのだ。
たった一人で、関西から北海道に出て来たアイツ。
さぞ心細かったことだろう。
その時、寂しい気持ちを盛り立てて賑わしてくれたのはB君だった。
その後、アイツは何人かの友人が出来たが、
ケンカしたり裏切られたり、お金を盗まれたりと、
ろくな友人が出来なかった。
当時北海道で仲が良かった友人で、現在アイツが中年になってまでも
付き合い続けている友人は、一人もいない。
1980年の9月に関西から北海道へ出てきて、12月に私と知り合い、
翌年1981年2月には付き合いが始まり、
4月に、やっとできた心のより所の唯一無二の友人をなくしたアイツ。
そう、時は4月。
A君がアメリカから帰って来る4月だ。
噂で、A君が帰って来たと聞いてから数日後、
店番をしていた喫茶店に、A君が現れた。
まさか来るとは思っていなかった。
2年ぶりに会うA君は、以前にもまして精かんでたくましく見えた。
「久しぶりだな。元気だった?」
「うん、元気。A君も元気そうだね。アメリカから戻ってきたんだね」
カウンターから一番遠い席に座ったA君は、コーヒーを頼んだ。
コーヒーを持っていくと、
包みをテーブルの上に置いた。
「これ…」
「なに?」
A君の前の席に座り、包みを見た。
「ゆうちゃんにふられた僕としては、渡すのをやめようかと悩んだんだけど、
やっぱり渡す事にしたわ」
「ふられた?誰が誰に?」
「僕がゆうちゃんにふられたんじゃないか。手紙が途中で来なくなった。。
ゆうちゃん、他に彼氏ができたんだろ?」
「なにを言ってるの?手紙の返事をくれなくなったのはA君でしょ?」
「え?」
「え?」
どうやら、アメリカの郵便局員がちゃんと配達してくれなかったらしい。
と、手紙の件は解決しても、A君との件は解決できない。
だって、私はすでにアイツと付き合っていたのだから。
お土産は、ネックレスだった。
透明のハート型のトップが、きれいだった。
「彼氏、できたのか?」
「うん、出来た。ごめんね」
当時の私はアイツとの恋愛に夢中で、A君のことなど眼中になかった。
「そうか、、、じゃ、元気で」
A君、さよなら。
あの時、あの手紙がちゃんと届いて文通が続いていたら、
A君との付き合いも違ったものになっていたかな?
私の人生は、違う道を歩んでいたのかな?
B君とは二度と会わずに現在に至っているが、
A君とはその後また出会うことになる。
思いもかけない場所で、A君に出会う。
思いもかけないものを、A君にもらう。
その事は、私の人生の中で甘く華やかな画像として保存されているのです。
ーつづくー
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