今朝とても早起きだったボクとアキコは5時前からカメラを持って散歩に 出かけた。
早朝の散歩道は山も田んぼも霧に包まれてひんやりと涼しかった。 日の出前の散歩道では植物もまだ水滴を身にまとって眠っているようであ った。 早起きしたボクは散歩道の植物や小さな生き物たちを起こしながら歩いた。
ボクに起こされた朝日が霧の中からぼんやりと眠そうな顔を出すと、鳥た ちは鳴きながら飛び始め、虫たちは草の上にのぼってきて眠そうな顔で濡 れた体を乾かし始めた。
アキコは早朝の散歩道で写真をたくさん撮りたかったらしいのだが、ボク は写真が撮れないくらいアキコをぐいぐい引っ張って、いつもよりも遠く までアキコを連れて行ってやった。 顔を撫でていくひんやり涼しい風、草についた水滴の味、ふんわり広がる 草の香り、遠くで鳴き始めた鳥の声、夏の早朝気持ち良いものは、どれも 写真にはおさめられないものばかりなのだ。
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