ボクの住んでいるところには、たくさんミカンの木が植えてある。 アキコが近所のおじいちゃんから聞いた話によると、30年前く らいにミカンの値段が高い時があって、ミカンを植えたら儲かる というのでみんなが競ってミカンの木を植えたのだそうである。
みんながミカンを栽培したのでミカンが豊作になって値段が下が り、その後ミカンは全然儲からなくなってしまったらしいが、そ の頃の名残でこの辺りにはとにかくミカンの木がたくさんあるの である。
今の時期、この辺りには写真のナツミカンの実がたくさんなって いる。道にゴロゴロ落ちている実もたくさんある。 みんなミカンへの情熱がなくなってしまったので、夏をすぎても 実がついたままのナツミカンも少なくない。 今年もたくさんのナツミカンが実っているが、ナツミカンの実は 「私たち、もう流行りじゃないのよ」とちょっとすねているよう にも見える。
ボクは柴犬という仲間の雑種らしいが、ボクもまた流行りではな いらしい。ナツミカンもボクも流行りじゃないのだ。 でも、今年は犬の年なのでボクはすねない。 ナツミカンの年が来ればナツミカンも元気になるに違いない。 ナツミカン年はいつ来るのか、アキコに聞いてみよう。
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