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2007年03月05日(月) 初心わするべからずの心

アキ「Dボウイ、あなたは、たった一人の、私たちの頼れる仲間なの」
Dボウイ「アキ」
アキ「例えあなたに殺されるその瞬間でも、私はあなたを信じる、だから」
アキ「Dボウイ、あなたの30分を私に頂戴」
Dボウイ「アキ・・・俺は・・・俺の30分をおまえに・・・」
Dボウイ「ペガスッ!テックセッタァアーァァー・・・うりぁぁっ」
ノアル「遅いぜ、Dボウイ」
Dボウイ「俺は、俺は悪魔なんかじゃない!」
Dボウイ「ボォルゥテッカァアアアアアァァァ」

本当に沢山の悲劇が襲いかかって来た上に、耐え難いほどの悲劇の宿命と重い重い背負いきれないほどの使命を背負って、一人で地球に落ちてきたDボウイが、ヴァルザックの辛辣な一言「化け物」で、とうとう張りつめていた精神の糸が切れて心が折れてしまい、なにもかも投げ出してしまった時、彼が見つけたのはアキの愛でした。最期まで彼ががんばったのも、結局はアキの愛が彼を支えきったのだと思います。

(以下微修正あり)
たぶん、この回(20話)あたりが戦闘でのおたけびからヘタレた時の泣きわめきまで、当時の森川君の演技が本物の完成形になった雰囲気があります。1年シリーズだからいいですが、今みたいに1クール作品だったら、初主役の森川君は役を掴みきれずに終わってしまっていたのではないかと、そういう意味では若手を時間をかけて育成してくれる当時のシステムはすばらしいなぁと、今の若手は大変なんだなぁと思います。
また、当時の森川君には小手先でごまかすテクニックはなくて、これは演技なのか表現力不足なのか判断が難しい部分も随所にありました。おそらくDボウイという森川君が構築したキャラは、どちらかと言えばかたくなに感情を殺して相手を拒みながらも投げつける台詞までもがぎこちないのです。闘っている時の激しい台詞はよしとして、さりげない仲間との会話のぎこちなさが、演技のたどたどしさなのか狙ったものなのか、判別が付かない部分で、これは、Dボウイの持つ、周囲にとけこんでしまって本当にいいのか?というとまどいと手探りな気持ちが込められた、そんな雰囲気になっているのだと解釈すれば素晴らしい演技なのです。どっちかなぁと毎回DVDを見返すたびに考えるのですが、彼なりの演技アプローチなんだと今は思っています。
御本人曰くの青さが残る演技ではありますが。そう言えば、近い時期のスラダンや吹き替えなどでは、もっとなめらかな演技をしていることから考えても、彼の解釈するDボウイのあのかたくなさは彼の演技なんだと思います。
そう、思い出せば、当時たまらなく私を惹きつけたDボウイというキャラの魅力がまさにこれなんだと思います。
一方で達者な演技をする子安君(シュラトの時はひどかったぞ、笑)の演じるエビルが、奔放に自分の感情を喜怒哀楽を表現して、いつも激しい方向の演技だったので、当時はファンは2極化していました。激しく迫力がありながらもどこかに神経質でもろさを感じさせるエビル子安の繊細かつ大胆な演技と、一見すると朴念仁のようであり、しかし実際は非常に強く激しい意志と根性があって、心の底からの魂の雄叫びを上げるブレードの(このあたりの感情のこめっぷりはロックを歌う森川の力強く根がある部分が共通です。)この二人の演技の絡み合いのコントラストが、最期まで観ているものを惹きつけて止まなかったのだと思います。とにかくこの双子の対決がこの作品の要でしたから。

森川さんがディナーショーの時に語っていたエピソード「アニメだけにオトイレ(音入れ)なんちゃって」と片腹痛いギャグもかましていましたが、確かブレード2の小説だったかのあとがきに、森川さんと林原さんのエッセイが入っていて、そこに当時の彼が書いた主役になった経緯の部分で、おなじようにとあるアニメの打ち上げの席でトイレで並んだあかほり氏に「次の主役内定だからよろしく」と軽い感じで言われて、半信半疑だったというエピソードが載って居ます。オーデションではなく指名だったのです。ボルテッカーが叫べなくて、居残りを命じられて、結局1回目の(3話ですね)収録では満足行く叫びをだせなかったため本当に悔しい気持ちになって、そのあと次の収録までの間だに、必死に叫びの練習をしたという本人の話が、たしかこの当たりに載っていたのですが、
現物が見あたらないので、確認できません。

初心忘るべからず。
悔しかったあの時の記憶に蓋をするのではなく、あえてもう1回衆人の耳(他でもない一番のファンのみんな)に曝して、その上で、いまならココまで出来ますと、当時の不出来を補う「ヴォルテッカァアアアー」の雄叫びも披露、現状に甘んじず、初心を忘れず、この記憶を新たにして前に進もうとする彼の気持ちが、熱かったです。当時オンリーイベント「REASON」(主題歌のタイトルですね)に行きたくて一度も行けなっかったのですが、イベントで歌った森川さんの姿が、Dボウイのイメージにそっくりとのファンの間だの評判が懐かしいです。当時は金髪じゃなかったですし・・・今きっと痩せて当時に近い体型なんじゃないかな?

なぜ今日テッカマンブレードかと言いますと、スパロボのキョウスケの台詞の声が、一瞬Dボウイに聞こえたのです。その記憶を確かめたくて、ついでにディナーショーの事を思い出して、かいつまんで早送りしながら、もう1度1話からずっと流しています。途中をすっとばして、今とうとうミユキと再会直前・・・ここからはもう、悲劇悲劇で・・・やっぱり、アニメで一番スキで、調べまくって、ネット会議室の存在を知ってそれに参加したい一心でインターネットを始めたのですから。(当時はダイアルアップで、繋いでダウンロードして即切って、中身読んで、自分の意見を書いて、繋いでアップして、またダウンロードして・・・を繰り返しながらも電話代を気にする生活でしたっけ)ニフティのブレードの会議室には制作者も参加していて、裏話や設定のはなしなど随分盛り上がりました、アノ当時は作品そのものの世界をいろいろ楽しんで居ました。でも確か声優さんの話もしていたと思います。記憶が殆どないのですが・・・

飯塚さんの暖かいおやじさん役、中原さんの板に付いたおかま役、松本さんと賢雄さんのキザな2枚目役。鈴置さんのクールで渋くて知的な役、横山智佐さんの可愛らしくもしっかりとした役、林原さんの男勝りでありながらも女の心情を切々と訴える役、子安君の切れたキール役、若本大先生の迫力ラスボスの役、みんな今振り返れば超豪華で上手い実力派にサポートされて、彼は成長しないとウソになるほどの環境だったのだと思います。
彼の役者人生できっと後々になればなるほど、思いが募る作品として思い出されることでしょう。

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