ひまわりさん観察日記
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| 2005年02月22日(火) |
小さなサイン(呑竜教室) |
毎年恒例、おはなし絵制作がはじまる。今年はさとちゃん(小4)おすすめの『おじいさんのつるつるかぼちゃ』(こどものとも)を採用。大きな画面(ダンボール板を使用)にひとりづつ場面を描き、最終的につなげて円形にする(お話も最後はスタートにもどるストーリーになっている)。その中心には夏の共同制作でおおきなかぼちゃをはりこで作って一場面を立体的に制作予定。みんなも大掛かりな制作予定を聞いて、大はりきり!
のんちゃんの作品。学校で育てているスイセンの芽が出たことを喜んで、2枚の画用紙をつなげて2週に渡って取り組みました。「はやく大きくなあれ」という気持ちが、ふたつの太陽からもうかがえますね。もうすぐ春です!
上の方の鉛筆描きは、教室の様子。
「もう!むかつくっ!!」と、お怒りの様子であとりえにやってくるのは、のんちゃん(小2)。最近、毎度のこととなっているので、私もびっくりしたり動揺したりしなくなった。
「なになに、なにがあったの?」と聞くと、待ってましたと言わんばかりに、今日学校であったことを話し出す。男子がだれだれちゃんに言ったこと、のんちゃんがやめろというと、自分にも鉾先が向いたこと、などなど。
のんちゃんはあとりえでも明るく親しみやすい、あねご肌的存在。からかう男子も、からかわれる友達も、どっちも放っとけない正義の味方。だからみんなから頼られるし、そのことで損をしてしまうこともあるみたいだが、そんなことはへっちゃら。でもそのかわり、こうやって話すことで発散しているんだと思う。「その男の子たち、きっとのんちゃんたちと仲良くしたいんじゃない?」などと私も思ったことを一緒に話す。
「あったまきたっっ!!」と部屋に入ってくるなり持っているあとりえバッグを放り投げて怒り心頭なのは、ゆうたくん(小2)。この登場の仕方も時々あること。
「どうしたの?ゆうたくん」と聞くと、学校で先生や友達から言われた納得のいかないことを、つらつらと話し出す。こちらは「ええっ?ほんとうにそんなことがあったのかな」と、もし事実なら問題だなと思えるような話が出てくるのだが、ゆうたくんの話す調子をみていると、どうやら多少大袈裟に、尾ひれがついていると思われる。
でも、私は「ええ〜〜っ!そんなひどいこと言われたの?許せないなあ」と、ゆうたくんの味方に徹する。
ふたりともひと通り話し終わると、何かがスッと解けたように、柔らかい表情になる。ツンツンしていた口調が、次第に素直な子どもらしい話し方になる。スッキリした様子でおけいこに集中できる。
ゆうたくんはときどき、「おれ、もうあとりえやめたい」ということもある。疲れていたり、思い通りにならなくてイライラしているのがわかる時だ。
でもゆうたくん。実は「あとりえはおとなになるまで続ける」(お母さん談)と思っていることを、私は知っているし普段の言動やおけいこから感じられる。
のんちゃんやゆうたくんのこういった『ツンツンした』言葉は、私は「助けて!」の何十歩も手前の、軽い悲鳴だと思っている。聞いてもらうだけでホッとしたり気がすんだりすることは、大人にもある。子どもだってある。
『こっちを見て!』という小さなサイン。もっと目立たないわかりにくいサインを今までに見逃しているのかもしれない、と考えると、ちょっと切なくなる。
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