ひまわりさん観察日記
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2005年02月21日(月) 完成(一ノ割教室)

みんな一生懸命絵を描く。小さい子たちは切ったり貼ったり。りなちゃん(小5)はあとりえに飾っている雛飾りの飛び出すカードを参考にしながら、うさぎの飛び出すひな飾りを作って持ち帰った。


まさみちゃん(年中)の『まさみとおかあさんが畑でお仕事をしている』絵。お家が農家というわけではありません(笑)。車にはおとうさんと弟が乗って見ているそうです。


せいたくん(小4)は、今日もあとりえにやってくると、わき目もふらず画用紙と鉛筆、そして定規を持っていって、絵を描きはじめる。同志のけいじくん(小4)は隣で今日も油絵を描きながら「僕は油絵、せいたくんは定規だね」という。「設計図を描いているみたい」とも。もちろん、それがそれぞれの個性、と認めた上での、素直な言葉である。


先月、『新年の描き初め』として、鴨川シーワールドで観たという『イルカのジャンプ』を、油絵で描いたせいたくん。私が「せいたくん!油絵いこう!!」と言わなかったら、多分それまで通りに鉛筆と定規で車や電車の絵を描いていただろう。久々の油絵を気持ちよく描き終えて、また鉛筆+定規の『完成しない』絵を続けている。

ちょっとしたズレや微妙なゆがみも許せない、ち密な線の絵。だから消しゴムのカスの量も、人一倍。

1年前には何ヶ月もかけて同じような手法で『船』の絵をひたすら描いていた。その時も今と同様、一枚一枚の絵が『完成!』しないのである。一枚の絵に何週もかけることもあるし、1日で終わってしまうこともある。どちらにしても、完成せず、途中のままなのだ。せいたくんに「これは完成?」と聞いても、「まだ続ける」と言うし・・・。私は『完成』をめざすことだけが絵を描くということではない、と漠然と思っていた。

当時、そのことが気がかりだったお母さんは、せいたくんに聞いたのだそうだ。すると、「他に何を描いたらいいか、どうかいたらいいか、わからない」とのことだった。その時はまっていた『船』の絵ならパッと描きはじめることが出来た。でも、どんなふうに続けて終わりにしたらいいか、わからなかったのかも、しれない。これは放っておけない。

そこで、『船』の時は、20枚近く描きためた途中の絵を、横になが〜く繋げる、という作戦(?)を立てた。せいたくんは水を得た魚のように、楽しんで繋げていった。狭いあとりえの部屋で何度も広げたり畳んだりしていた。足りない部分は絵を描き足したり色を加えたりしていた。これが船の絵の長くて遠かった『完成』だった。


最近描きためている車と電車の絵も、もしかしたら長くつなげたいのかな?せいたくんはシャイで寡黙な男の子なので、自分から「こうしたい」というのをなかなか言ってくれない。でも私、今回も同じように長くつなげるのはつまらないな〜〜という個人的希望がある。もちろん、そうしたいという強い希望があればそれでもいいのだけれど、今度はまた違う結末を迎えたい。迎えて欲しい。


さあ、この車と電車シリーズはどんな『完成』を待っているのか。私もあえて「またつなげる?」と聞かない責任を持って、せいたくんとふたりでもうちょっと模索してみたいな、と思う。


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