ひまわりさん観察日記
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2005年02月20日(日) のっぺらぼう(庄和教室)

しおりちゃん(小3)が描いた絵を示して「これ、パソコンにのせて!」と言ってきた。・・・ごめんね、今日は別のひまわりさんの絵になっちゃいました。いつも見てくれて、どうもありがとう!

「えのぐがめんどくさーい」とか「えのぐやりたくなーい」という子におすすめなのが、デカルコマニー(絵の具絵合わせ)のおけいこ。すすめればほぼ100%の子が「やる!」というし、それをみて他の子たちも「やりたい!」と元気に絵の具を取り出す。準備体操みたいなおけいこです。



この絵を見ていただきたい。

ゆかちゃん(小4)の描いている、センセイ、つまり私の絵である。もちろん、まだ途中の絵であるのだが、見事に顔がのっぺらぼう!ちょっとこわい!?

前回のおけいこで、ゆかちゃんは「あとりえでこういう絵を描くのははじめて!」(本人談)とはりきって私を描き始めてくれた。その時には、顔の輪郭と、髪の毛、のみ。とにかくどんな絵にもじっくりたっぷり時間をかけてこまか〜く描くのが、ゆかちゃん流。その日は私の髪形をよおーく観察して1本1本、描いた。「顔は、来週描くね」

そして今日、私がゆっくりモデルをできなかった、ということもあるのだけれど、ゆかちゃんは顔に取りかからず、ひとまず身体(エプロン)、そしてお得意のクリスマスツリー(私がゆかちゃんの絵を持っている、という設定)に時間を費やした。「顔は、来週描くから!」



おまけに、もう1枚。



こちらはゆきこちゃん(小5)の描く『自画像』(油絵の下描き)である。鏡を見ながら、1時間弱かけて、F6号のキャンバスに木炭で描いている。

なんとまあ、こちらものっぺらぼう!もちろん、次週顔を描いて、絵の具塗りに突入する予定である。

のっぺらぼうなのでいまのところなんとも言えないが、ゆかちゃんの描く私の髪形も、ゆきこちゃんの描く髪形や服装の様子も、とても良く見てそっくりに描かれている。



ある年頃になると、極端に『人物』を描くことを嫌う子が、とにかく多い。
おそらく、学校で描かざるを得ないときには、嫌々ながらも皆そつなく描いているのであろうが、あとりえでは自由が許されているので、てこでも描かない、という子も少なく無いのだ。

『人物』に限らず、どんな絵も抵抗なく描けることがすべてとは言わないが、描こうと思いついたことをなんでも描けていた頃がどの子にもあったわけだし、その方が表現の幅も広がるし、いいことが多いんじゃないかと、大人的観測から強引に理由付けしてみる。で、「イヤ!」「苦手!」「無理!」と気付く余地を与えずに、自然に描き慣れてしまおう、というのがあとりえの1役割じゃないか、とか思っている。


このふたりの絵を例に挙げたが、ふたりは「描こう」という意志を持っている分、拒絶している子とは全く違う。ふたりも、私がすすめなかったら、自分から進んでは描かなかったかもしれないが、とにかく今、がんばって悪戦苦闘(?)しているのだ。そして、次回のおけいこでは、私の顔が、ゆきこちゃんの顔が、描かれるのだ、きっと。

ただ、ふたりがそろってのっぺらぼうで今日のおけいこを終えたのは、全くの偶然ではなかったのかな?と、一瞬感じたのでした。


・・・・もちろん、完成した折には、ここで紹介したいと思っております。お楽しみに・・・・


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