ひまわりさん観察日記
DiaryINDEXpastwill


2005年01月23日(日) 女の子、強し!(庄和教室)

先週に引き続き、はり絵の材料を用意。はり絵をしたり、絵の具を塗ったり、油絵をしたり、こまごま描いたり。


さえちゃん(年長)の絵。はねつきをして遊びます。いろいろな絵に挑戦中のさえちゃん、この絵はいつのまにか小さく折り畳んでゴミ箱に(本人の手によって)捨てられていたので、救出しておきました。来週さえちゃんとこの絵を見ながらおはなししたいです。


部屋には、ゆかちゃん(小4)ユカちゃん(小4)けんしろうくん(小5)と私の4人だけ。日曜日のおけいこの11時過ぎのあとりえは、下級生たちはすでに帰り、後半の上級生タイムはお休みする子も多く、ゆったりのんびり。私もここぞとばかりに、3人とおしゃべりをしながら、あとりえが始まって以来一度も掃除をしたことのない、油絵に使う筆洗油の入った容器の底にたまっているドロドロの絵の具かすを取り除く作業にとりかかっていた。

のどかなひとときだった空気が一変、それは突然起こった!
作業中、勢いあまり、あやまって指先を切ってしまったのだ!!・・・・私が。

一瞬、ギョッとしたけれど、指をカッターなどで切るのは毎度のこと。絆創膏、消毒液、滅菌ガーゼなど応急手当に必要なものは携帯しているので、まあまあ、焦らず騒がず・・・心配してくれる3人に「大丈夫、大丈夫」と平気な顔で言ってみせた。

ところがドッコイ、思ったよりも血が出てくる出てくる、とまらない。こりゃ、いままでと様子が違うぞ、と思う。カッターのように鋭利なもので切ったのではないので、傷口が思ったより広いのだ。こりゃいかん!

かばんの中から『応急手当セット』をさがしていると、「どうするの?どうするの」と女の子ふたりが寄ってくる。こういうことに興味を持つのは大抵女の子だし、役に立ってくれるのも女の子だ。

右手にいるゆかちゃんに「これ、一枚出してくれる?」とポケットティッシュを渡す。「せんせっ!血が!血が!」とか言いながら、ティッシュを出してくれる。
左手にいるユカちゃんには「これ、剥いてちょうだい」と、絆創膏を一枚手渡す。「センセイ、何型?」などと言いながら、剥いてくれる。

お手伝いしてくれて助かったものの、本当はこんな流血騒ぎに巻き込みたく無い。でも、ふたりは自ら、興味津々で寄ってきたのだ。「見なくていいよ、あっちいってて」と言っても、「見たい見たい」とかいって。

そのくせ、「ああ、なんか血が流れるの見てたら、頭がクラクラしてきちゃった」なんて、ちょっと楽しそうに言うふたり。

だから私も自分の予想外の流血にビビリながらも、「でもね、血はすぐに止めないで、すこし出した方がいいんだよ、ばい菌も一緒に出てくれるからね。そのかわり、心臓より高くしてね。」なんて自己流の応急処置を冷静を装って解説してみせる。

「はい、せんせ。もう一枚。」とティッシュを差し出すゆかちゃん。
「消毒はいいの?」とポ−チの中の消毒液を取り出すユカちゃん。
絵に向かいながらも金縛りに合ったようにこちらを遠くから見つめるけんしろうくん。

その後、3人に気付かれないようにもう一度血の滲んだ絆創膏を新しく替え、落ち着こうと思い黙って部屋を出て給湯室に行って水を一口飲み、戻る途中クラッとして廊下でしゃがみ込み、何事も無かったように笑顔で部屋に戻り、また血が滲んだ絆創膏をこんどはガ−ゼに変えて当て、全身冷や汗が湧き出てきたのでタオルで顔を拭き、もと居た椅子に座り、落ち着いてきたので掃除していた油の容器を片付ける。

その間中、おしゃべり上手なゆかちゃんは『爪の下あたりを深く切ったのでその後爪が割れて生えてきた』というその時あまり聞きたく無い知り合いの話を事細かに説明してくれたり、「せんせいが血を流しているところを絵に描こう」なんて嬉しそうに言ったり。私が給湯室から人知れず戻ると「どこ行ってたの?水?お湯湧かすところ?」とバレバレだったり、隠れて冷や汗を拭っていると「せんせ、なにしてるの?大丈夫?」と心配してくれたり。・・・とにかく、始終しゃべり続けることで彼女なりに私を励ましてくれているのがよくわかった。

一方普段はクールででもちょっぴり甘えんぼなユカちゃんはこんな時には寡黙になり、なにも頼まないのに、その後の後片付けもお迎えがくるまでせっせと手伝ってくれた。


ああ、おふたりさん。いやな場面を間近で見せてしまって、ごめんなさい。
でもでもとっても助かりました。
女の子はこうやって、将来、強き母になるための要素を備えてゆくのだろうか・・・としみじみ思った日曜日の昼下がりでした。


ひまわりあとりえ |MAILHomePage