胡桃の感想記
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2000年07月18日(火) |
◇ポール・オースター著「ムーン・パレス moon palace」 |
「ムーン・パレス moon palace」 ポール・オースター著 柴田元幸訳 (新潮文庫) 443P
ムーン・パレス・・・綺麗な響きと表紙に惹かれて購入。(私にとって、とても珍しいこと)しかし、この名前はかつてコロンビア大の近くにあった中華料理店の名前だった・・・。(ちょっと、がぁ〜ん)
この作品のキィワードは、もちろん月。
最初は、見栄っ張りの主人公がどんどん堕落していき、(それも半端じゃなく、死にかける程)友人、恋人の助けにより立ち直る・・・位の話かなぁと思っていた。 頑固者の老人エフィングの世話係り(話し相手、散歩など)として、住み込み彼の最期を看取る。このエフィング、筋金入りの変わり者の頑固者。彼の容姿や、食事の仕方の描写もすごい。核家族で元気なお年よりしか知らない人が読んだら、ぞっとするんじゃないかな。私?私は、まぁエフィングほどすごい人はまだ見たこと無いけど、別に驚かないわね。
エフィング亡き後、彼の息子歴史学者の超ビッグサイズのバーバーと出会い、そして、主人公はある事実を知る。 ・・・まぁ、結果を言ってしまえば、私生児で父はもういないと聞いていたのに バーバーが父親だったと。ということは、物語の三分の二位を占めていた部分は、祖父と孫・・・。偶然が重なり続けてこの結果。話が出来すぎてて、こうなるとは・・・。いい意味で、裏切られた感じ。
恋人キティは、なかなかのしっかり者。ただ、何故MSに惹かれたのか・・・。 さっぱり、理解不能ね。 そして、歴史(?)は繰り返される・・・。
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