| 2014年03月04日(火) |
「隠蔽捜査」が面白い / 「葉隠入門」 |
数あるおっさんドラマの中で、わたしの中では今期一番のお楽しみです。
竜崎(杉本哲太)と伊丹(古田新太)の組み合わせがこんなに面白いとは!
私利私欲がなく、正論を掲げて絶対引かない曲げないカタブツ竜崎と、
うまく立ち回ることができて人あたりもいい伊丹。
幼なじみのおっさんキャリアふたり。
竜崎が降格された後も、ふたりは何のこだわりもなく力を貸し合い、かわらぬ親交を続けている。
伊丹だって安泰というわけではなく、自分の地位をかろうじて守っている状態だけど、
その地位を賭けて刑事魂炸裂させるときの凄みは最高にカッコいい。
第五話で、「小者に立場や権限を与えるとああいうことになる」の典型・野間崎方面本部管理官に、
「方面本部の管理官ごときが 本庁の刑事部長に捜査をやめろと言うつもりか!
首席監察官に俺の首を差し出すつもりなら、刺し違える覚悟で来い!!」
と、一喝した時とか、もう本当にカッコよくて、
権威ってこういうふうに使うべきよね〜、と、惚れ惚れしたのでした。
宿敵・上條長官官房総括審議官(生瀬勝久)がこのふたりにイヤミを言うときには、
必ず孔子やら孟子やらの言葉を引用し、そのたびに伊丹がカチンと来ていたので、
伊丹は故事には疎いのかと思いきや、なんと「葉隠」が座右の書だったという驚き。
竜崎が部下の女性に恋してしまい、動揺しまくりの挙動不審男になった時、伊丹が冷静に一言、
「先人に学べ」と差し出したあの「葉隠」ですよ。
しかし、恋に悩む幼なじみに「先人に学べ」と「葉隠」を差し出す伊丹も伊丹だが、
それを馬鹿正直に「そうだ、先人に学ぼう」と、本屋で「公案」(禅の入門書)を買う竜崎も竜崎だ。
なんだかんだ言って、そこはさすが超エリートたち。
知的で真面目で不器用なおっさんたちなのだわ、と、妙に敬服するやら微笑ましいやら。
無知なわたしはこの本の存在を、伊丹に言われるまで存じませんでしたよ!
「武士道とは死ぬことと見つけたり」の言葉も、昔のどこかの武士が言っただけだろうと思っていましたよ!
時代小説とかけっこう好きだったのに、どうしてこれが抜け落ちていたのだろう?
というわけでさっそく買ってまいりました。
「葉隠入門」 三島由紀夫著
いきなり「葉隠」 を読むにはちょっとハードル高すぎかなー、と思い、三島由紀夫が解説&訳をしてくれている方をまずね。
最初の数ページ読み始めましたが、すでにすごく面白いです。
「隠蔽捜査」、もちろん竜崎・伊丹・上條、の存在感が圧倒的にステキなのですが、
脇を固める戸高(安田顕)、紅一点にして美人でデキる元部下・谷岡(青山倫子)、
大森北署の副所長や警務課長(「ごちそうさん」で悠太郎さんの元上司だったあの人の好さそうな人ね)とか、
それぞれがすごく魅力的。
最終話まで毎週とても楽しみです。
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