今日のおたけび または つぶやき

2012年11月15日(木)  森のエルフ光子さま逝く



90歳まで舞台に立ち、92歳で静かに逝く。

お見事な女優人生でいらっしゃいました。



ジャニーズの誰かのファン(嵐ファンくらいまでか?)であれば、どこかしらの会場で一度くらいは

光子さまのお姿は目にしたことでしょう。

わたしも今井さんのソロステージで何度かお見かけしましたよ。

オールスタンディングのライブハウスにもいらっしゃったし、

席に空きがない会場では、通路にはみ出して置かれたパイプ椅子でご覧になっていたことも。



大女優が客席にいらっしゃれば、ご紹介もするし、時にはステージに上がっていただいたりと、

正直なところ、「みっちゃん観に来たわけではないのだけど〜」という気分になることもあったり。



90歳で「人生革命」で滝沢さんと共演なさったときなんか、

滝沢さんの重圧たるやいかばかりかと、滝沢さんの方を心配してしまったくらいでした。

ご本人は舞台の上で死ねたら本望くらいのお気持ちでしょうけど、

実際に公演中に何かあったら、座長はどれほど責任を感じてしまわれることかと。



ただでさえ、滝沢さんの舞台は、座長みずからが一番大変で危険な役を誰よりも多く務め、

その上、大勢の年若い後輩たちを束ねるという教育係も務めているのに、

さらに、足元もおぼつかなくなった90歳の大女優に心を配らねばならぬなんて、と。

ま、その重圧を感じさせずにやりきってしまわれるのが滝沢さんですが。



でも、実績のある大女優がステージを観に足をわざわざ運んでくださったり、

ロビーに「森光子」のお名前のお花が、どどーんと飾ってあったりすると、

一気にそのステージに「箔が付く」のは何度も実感しました。

「森光子」というお名前と存在は、もはや「縁起物」の域にあったような気がします。



今井さんなんか特に、TVにほとんど出ないから共演者からのお花もあまりなく、

いちファンごときのわたしですら「みっちゃんからのお花があってよかった〜」

「みっちゃん来てくれてよかった〜」と、何度思ったことか。



今朝の「あさイチ」でいのっちがコメントしておられましたが、

自分が主役の初舞台の時に、森さんからお花を贈っていただいたばかりでなく、

共演者全員にまで差し入れをいただいたと。それが座長としてすごく誇らしくて嬉しくて、

本当に心強かったそうな。亡くなってしまわれたのは寂しいけれども、これからは

森さんにいつまでも頼ることなく、ちゃんと大人として独りで歩いていかねばと、

あらためて身が引き締まる思い、というようなことをおっしゃっていました。



舞台人として「放浪記」2017回というゆるぎない実績を持ち、

舞台人としての努力や苦労を誰よりもよくわかっておられる方だからこそ、

舞台に立つ若い後輩たちの不安もよくわかり、彼らが本当に必要とするもの

(アドバイスや励まし、場をなごませるステキなトーク、客席からの声援、ロビーを華やかにするお花、

食べることを面倒くさがる座長には豪華なお弁当、などなど)
も、よくわかり、

表からも裏からも、力になってくださったのでしょう。



ご冥福をお祈りいたします。

きっとこれからも、客席にはちょくちょくいらっしゃるでしょうね。




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