| 2011年12月15日(木) |
福山雅治@SONGS |
ましゃの宮城ライブを取材した音楽番組というよりも、
ライブに来られた被災者の方々のドキュメンタリー番組になっていましたね。
でも、エンターテインメントの力をあまり大げさに主張しないところが好感が持てましたわ。
この曲で生きる希望をもらいました! とか、ものすっごく励まされました! とか、
声高に言われてもかえって萎えるってもんです。
正直、あれほどの大震災の悲しみと辛さはそんなもんで簡単に癒されるわけないし。
震災以前もきっと、折につけ励まされたり幸せな気持ちにしてくれていただろう数々の歌は、
被災して生活環境が大きく変わったり、家族を失ったりした時も、やっぱり背中を押してくれたし、
ほんの少しだけ癒してくれた、というだけのこと。
ただ、最初の男子高校生が言ってたように、こういう経験をしたからこそ、
自分への応援歌として聴きなれていた「明日の☆SHOW」の歌詞を、あらためて
「これはこういう意味だったんだ」と、読み取れるようになったり、
お母さんを亡くされた女性には、「道標」は自分からお母さんへの気持ちそのものになっただろうし。
遠距離恋愛中のカップルは、震災後に男性が女性にちゃんと気持ちを伝えようと思い、
「『家族になろうよ』に出てくるようなふたりになれたらいいね」と言ってみようかと思いつつも、
「恥ずかしいですねー。こういうの言うの。大丈夫かなぁ」と、彼女の元に向かう電車の中で
しきりに考え込んでいてとてもラブリーだったり。
ましゃの映像はステージ上のものだけで、ご本人のインタビューや舞台裏の様子とかは
全くなかったのですが、それも良かったように思います。
「明日へのマーチ」をセットリストに加えたり、歌詞を変えたり、
女性客でも思いっきり歌えるようにキーまで変えたり、と被災地への心遣いはいっぱいあり
(ライブのレポや他の番組で報告されていた)、その心遣いの細やかさもいちいち賞賛したいくらいですが、
ご本人はそういうことも全部含めて「最高のクオリティのステージをお届けする」ことだけを考えていて、
その姿勢は宮城でも他のツアー先でも変わらない、とおっしゃっていましたので。
舞台裏でなんだかんだ語ってくれても嬉しいけど、語ってくれなくても
ステージを観ればそこにすべてが込められているということですから。
でも欲を言えば曲はどれもフルで聴きたかったですー。30分じゃ絶対ムリだけど。
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