今日のおたけび または つぶやき

2010年10月02日(土)  「君に届け」



原作のコミックスは読んでいないのですが、

三浦春馬くんと多部未華子ちゃんの組み合わせになんだかとても興味があって観てきました。



いやー、ヨカッタ!

どいつもこいつもせつなくて、だれもかれも優しくて、みんな未熟だけど一生懸命で、

泣けちゃうし笑えちゃうし、心臓に悪くないくらいのハラハラドキドキもあって。




多部ちゃん演じるサダコが秀逸です。

あのキャラを演じるのは本当にむずかしいだろうな、と思いました。

暗いように見えて陰湿なわけじゃないし、トロいようにみえて頭が悪いわけじゃないし、

ひとりの時だろうといっぱい人がいようと、行動に裏表は全くなく、言葉にも嘘はなく、

相手のことも常に思いやっていて本当にイイ子で、よく見ればそこそこ可愛いのに、

かもし出す雰囲気がどうにも不気味。



そんな複雑きわまりないサダコに比べれば、春馬くん演じる風早はただひたすら爽やか。

単純明快に爽やか。笑顔がステキで清潔感に溢れ、スポーツもできてほどよくリーダーシップもあって、

男からも支持されて、まさしく「爽やかでできている」としか言いようがない好青年。



あまりの爽やか一辺倒に「ちょっとキャラ作りが単純すぎやしませんかー」なんて一瞬思ったのだが、

いやいやいや、単純どころか、あのまったく邪気のない笑顔と最強の爽やかさこそが、

サダコや級友たちをゆっくり、しかし確実に、いい方へ変えていったパワーそのものだったのだな、と。



あの強烈に複雑でぱっと見不気味なサダコ、そしてそういう風にしか彼女を見れなくなっていた級友たち、

という高く厚い壁を打ち崩していくのは、これくらい強烈な爽やかを持つオトコマエしかいないのだ、

という、妙な納得の仕方をしましたよ。



でね、その鉄壁の爽やかさが、何をもってしても絶対崩れないその爽やかさが、

サダコになかなか想いが届かない、という壁にぶち当たって初めて少しだけゆらぐのです。

それが風早の真剣さと、若さゆえの未熟さを感じさせて、かえってそれがステキなのですわ。



なんだろね、もうあっちにもこっちにも感情移入しまくり。

サダコや風早はもちろん、千鶴やあやね、真田、あとはサダコのお父さんとかにも、いちいち共感して

せつなくなったり嬉しくなったりと、本当に満足感いっぱい幸せ感いっぱいの作品でした。



そうそう、ARATA氏が担任の先生役というのがとても新鮮でした。大雑把だけどいい先生だったし。

常軌を逸した役じゃないARATA氏は初めて見たかも。





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