今日のおたけび または つぶやき

2010年08月20日(金)  「プロフェッショナル 市川海老蔵スペシャル」



この夏のNHKが推す「現代のヒーロー」、おふたり目の登場です。

これも素晴らしかった!

どんな分野に生きる人でも、覚悟を持って全力を尽す人は美しいですね。(感涙)



海老蔵の言葉のひとつひとつには確かな説得力があり、

稽古に打ち込み舞台を務め上げる姿のすべてが本当に力強く頼もしい。




突然ですがここで再び土下座。(わたしが)

御曹司だと思って、女遊びばかりしててもそこそこやっていけると思ってんじゃねーの?

なんて思っていたかつてのわたくしの了見の狭さをひらにご容赦ください。(いっそ土下寝)



さて、謝罪も済みましたところで。(簡単な謝罪だなオイ)



「プロフェッショナル」という番組は、その人が最高のプロフェッショナルになりえた過程での

「挫折」「転機」を必ずフィーチャーしますね。逆に言えばそれを経験し乗り越えることなしに

プロフェショナルになれる人はいないということなのでしょうが。



海老蔵も、市川家350年という伝統の重さに、最初は逃げることばかりを考えていたけど、

それを背負うのは自分しかいない、と覚悟を決めてからの歌舞伎への献身が凄まじい。


移動中はすべて早歩きだし、年間500回という舞台に立っていて、さらにそれら

すべてにお稽古や準備の期間もある。(1年は365日だ! ←言われなくても知っている)

人生をすべて歌舞伎に捧げ、生き急いでいるかのような没頭っぷりです。



それなのにまったく悲壮感がなく、ひたすら勇壮かつ緻密に突き進んでゆく姿にしか見えない

というのは、それが自ら望んで取り組んでいることだからなのでしょうね。



誰から強要されたわけでもなく、自分の行動すべてを自分自身の責任のもとで

決断している人だからでしょうね。「自分はこうありたい」という目標を決めるのも自分、

そこに自分を追い込むのも自分。そういう人には、やらされてる感が全く無いから、

その人の内側から湧き出るエネルギーが、無尽蔵に周囲に振りまかれるような

力強さや清々しさはあっても、悲壮感なんて全く感じられないのです。

それがたとえどんなに大変な作業だとしても。




全ての言葉が印象的でしたが、書ききれないので泣く泣く抜粋してご紹介。


・「小さい頃から舞台に出て恥を知り、悔しくなり、涙して、どんどん大きな器になっていくという、

 現場の修行ができるのが、僕らの世襲のよいところ。」


・「歌舞伎には型があり、これじゃなきゃいけない、というのがある。でも、これじゃなきゃいけない、
 
 というのが、これでいいんだ的なことになりがちな部分もある。守らなきゃいけないところを守り、

 攻めるところは攻める。その葛藤。」


・「満足すると油断する。油断すると失敗の可能性が増える。

 ストレスはすごいけれど満足はしない。できない。」


・「歌舞伎役者は、20歳とか30歳とか40歳はハナタレ小僧。

 体が動かなくなってきてからようやく、芸とは何なのかが見えてくる。

 そういうところで闘わなくちゃいけないというのは、今をどれだけ突き進むかにかかっている。」



・まお嬢と初めて会った瞬間に「自分の結婚相手はこの人だ」とわかった、という話から、

 「人生は運と勘と縁。運は自分で育て良くしていくもので、縁もその延長上にある自分の持っている力。

 それを最初に発動させるのが勘。」


・「すべては自分で選んだこと。この家に生まれたのも自分で選んだこと。

 誰も信じてくれないのだけど、(生まれる前)自分はずいぶん後ろで順番待ちをしていたのだけど、

 『その家に行くのはオレだ!』と、前にいる人たちを押しのけて来た記憶がある。」


・「(歌舞伎役者は)死んでからが勝負。死んでからその名声が何百年続くか、それが勝負。」

 
・「信じることだよね。お客様、自分、演目を。自分は通じるように努力して通じるだろうと思うし、

 お客様はわかってくださると思うし、作品にはそれだけの力があると。信じるしかないよね。」


・ロンドン公演を大盛況のうちに終え「感動もあるし喜びもあるけど、まだまだ先は長いので。

 まずは代々の海老蔵さんに負けないよう頑張らないといけないし、ゆくゆくは代々の團十郎と

 肩を並べなきゃいけないわけで。階段を一段登ったと思うけど、もっと高い階段はいっぱいあるので。」


・プロフェッショナルとは?の問いに

 「昨日の自分を越えることを、継続しつづけること、かな。」



あの精悍な風体とギョロギョロした強力な目で(誉めてますから!)、実に遠くまでを見据えながら

今この時を全力疾走なさっている姿に感動いたしましたよ。

来週はその欧州凱旋公演の「義経千本桜」を拝見しにまいります。なんてぐっどたいみんぐ!



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