せらび
c'est la vie
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みぃ


2005年09月22日(木) 格安航空会社とソニーと「リタ」

ワタシは夜遅くに帰宅するまで勿論知らなかったのだが、昨日加州ではとある飛行機の前輪に問題が起きて、その前代未聞の有様が世界中に生中継されたそうである。

というのも、どうやらその前輪がひん曲がったまま離陸しても格納出来なくなってしまったので、急遽長距離飛行の予定を変更して上空を暫く旋回し燃料を消費した後、操縦士はそのひん曲がった前輪のまま果敢に着陸に挑み、一寸ばかし火花は散ったもののほぼ無傷で着陸に成功したそうである。

後で航空専門家という人々が言うのを聞いたら、前輪の着地を出来るだけ遅らせて衝撃を防いだので、損傷が少なくて済んだのだそうである。


ワタシは以前その航空会社の飛行機に乗った事があるのだが、これは実は大変格安な主に国内を飛ぶ航空会社である。どんな時間帯であろうとも、またどんな距離を飛ぼうとも、飯の類のものは一切出ない。

以前その会社のウェブサイトに行ったら書いてあったのだけれど、もしお腹が空きそうだったら、自分でサンドウィッチを持って来てください、などとあって、中々気さくである。「持ち込み可」にするからその分サアビスは切り詰めますよ、と予め言うのである。

こんな割り切りが、資本主義的・物質主義的ビジネスにどっぷり浸かった昨今では、却って心地良いくらいである。こういうやり方をする会社は今では幾つもあるが、ここが先駆けだったので、当時は飯の出ない飛行機なんて誰が乗るのだと話題になったものである。(ワタシのような人間が乗る訳だが。)


しかし今回の一件で、幾らサアビスを最低限に抑えて安くビジネスを提供しているからと言って、操縦士の腕まではケチっていないという事が分かったので、ワタシはこの会社を大いに見直した。


見直したのは恐らくワタシだけではなかろうと思う。

大手航空会社が彼方此方潰れ続ける昨今に、これ程効果的な宣伝は又と無いだろう。しかもその「安心サアビス」振りをお茶の間の皆さんがしかと見届けたのだから、これはすごい事である。

なんだか諸々上手い事行って良かったなあ。



ところでビジネスの話の序でだが、ソニーが営業損益で二百億、当期損益で百億円と十一年振りに赤字転落したとの事である。これにより、内外十五万人のうち一万人の従業員削減予定だそうである。天下のソニー危うし。

ワタシには「ソニーとトヨタは不死身」というような印象が何処かにあったので一寸驚いたが、よくよく考えてみれば近頃は猫も杓子も白いイヤーフォンでもって「ポッド」ばやりなので、これには流石に負けていると言わざるを得ないだろう。

そういえば以前「ロボットの高額室内犬」というのが登場して、ワタシも何とかしてそいつを手に入れられないだろうかと思って友人に尋ねたところ、予約待ちでも中々買えないらしいという話だったのだが、あれはどうなったのだろう。

あれだったら今のワタシの状況でも犬が飼えるのではないか、という夢を与えてくれたのは良かった。



また大型台風が亜米利加南部にやって来るそうである。

さあここいらでそろそろ亜米利加の皆さんも環境問題について真剣に考えてみませんか、とわくわく気味でお薦めしたいのを堪えつつ、天気予報番組に見入る。

それにしてもここ数年この地域には大きな台風が頻発している。去年などはもう少し南のカリブ海沿岸島嶼諸国がこてんぱんに遣られていたのだが、小さい国ばかりだから誰も真剣に話なんか聞いてくれなかった訳である。

しかし今年のは勢力を増しながらもっと北上して、遂に大陸都市を次々と襲撃である。ざまあみやがれと思わない事もない。

尤も今回はブッシュ大統領のお膝元テキサス州を直撃しそうだから、どういう事になるか楽しみ見物である。

ヒューストン市というテキサス州の街が台風の進路に入っているので、その周辺の人々には避難命令が出されているそうである。しかしこのヒューストンという全米第四の都市も実は、エネルギィ産業が集中する割りに雇用は大して増えていないので、貧富の差が広がっている都市の一例でもある。

どうなる事やら。



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