血液検査がすんだらいつのまにか白衣に着替えた叔父が現れて超音波。 「何だ、このボロボロの機械は?ちっとも見えないじゃないか?」と驚いている。 こちらは痛いお腹を何度も押さえつけられてかなり苦しい。 「胆石はないなぁ。腎結石もなさそうだ。全部綺麗だ。となると胃か。」と言われる。 その後レントゲン。 レントゲンのお兄さん?は「お腹が痛いの?立てる?」ととても優しい。 なんか子供になってあやされているような変な気分。 まぁ怖いよりはいい。 立った写真と寝た写真を撮る。 お腹にかけたタオルがよく見ると血がついているところが救急らしい。 その後尿検査。
結果があっという間にでるのが救急のすごいところ。 深夜に頑張っている技師さんがいるんだろうなぁと思う。 尿はタンパクが出ていたもののレントゲンも血液検査も異常なし。 腸の持病が原因なら血液検査の白血球が増えているはずだから腸でもない。 女性なら婦人科系の病気も考えられるが俺は当然それもない(笑) 後は胃カメラだけど深夜に飲むほどの緊急性もないしなぁと。
というわけで最新の強力な胃薬を2種類飲むことになる。 叔父がどこからか水を買ってきてくれるものの水なしでも飲める薬だ。 でもせっかく買ってきてくれたのだしと思い冷たい水を飲むとまたお腹が痛み出す。
ボツボツ患者さんも来る。 一人目はおじいさん。 見た目は元気に歩いている。 でもどこか悪いんだろうなぁ。
二人目は若い?女の人。 睡眠薬とお酒の併用。 心療内科を退院したばかりでついついうれしくなってお酒を飲んだ後睡眠薬を服用したらしい。 看護婦さんに「いくら嬉しくてもそれはやっちゃだめ。」と怒られている。 ただODとかのように薬を飲みすぎているわけではないので胃洗浄とかはしなくてすむらしい。 点滴をしたらおうちに帰れると説明されていた。 カーテンで仕切られているからお互い顔は見えないけど話は筒抜けだ。
で俺の方は「帰るか?それとも入院するか?」と叔父に聞かれて「やることもあるし帰らねば。」と思う。 「痛みだけは傍ではわからないから痛いなら遠慮するな。」とも言われる。 痛み止めを1本うってほしいと言うとそれは入院しないとできないと言われる。 きつい薬になるから後で何か起こった時に入院していないと対処できないらしい。 「胃薬が効くかどうか俺の部屋ででも横になって様子をみるか?」と言われるもこれ以上遅くなって叔父の睡眠時間を削るのは申し訳なさすぎるので「平気だと思う。」と答えてしまう。
で叔父の車に乗り込んでふっと自分の家が頭をよぎる。 その瞬間「帰りたくない!」って俺の中で何かが叫んでお腹がかつてないぐらい痛みはじめる。 俺の心の弱さが今回の痛みの原因かもなぁと思うと情けないを通り越して馬鹿馬鹿しい気がする。 「家に帰らねば。家に帰りたくない。お腹が痛い。朝まで耐えられるだろうか。でもこれ以上叔父に迷惑をかけたくないからここは帰るべき。入院はお金もかかる。我慢せねば。」と思う。 走り出した車の中でしばらく我慢するものの痛みはおさまらない。 「この痛みを朝までは我慢できるか自信ないし第一朝になったら病院に引き返すだけだ。」と思い叔父に「やっぱり入院したい。」と申し出る。
叔父が一瞬いらだったように見えた。 無理もない。 それをみてやっぱり家に帰ろうかなぁと、一晩ぐらい我慢しようと思った瞬間車はUターンして再度病院に向かっていた。
この時俺はどうしても家に帰りたくなかった。 家にいるというストレスが、というよりある人と一緒にいるということが今回の胃痛を引き起こしたらしい。 俺の身体って馬鹿だよなと思う。
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