あたたかなおうち



 二人乗り

金曜日の夜は、いつも少しだけデートする。

昨日は、ちょこっとだけカラオケに行った。
祐ちゃんが大学時代に働いていたカラオケ屋さん。
内輪の人たちばかりが集まる、小さなお店だ。
祐ちゃんがまだ学生だった頃は、本当によく遊びに行った。

祐ちゃんは歌もそこそこ上手だ。
良く通る声をしている。音程も問題ない。
なんでもこなしてしまう人だと思う。
それでも上手すぎないところに私は好感を持つ。

マスターと祐ちゃんは延々と思い出話をしていた。
今日のお金はいいよ、とマスターがいう。
また顔見せにこいよ、と。

自転車を二人乗りして、私の家に帰る。
おしゃべりしながら、
祐ちゃんの厚みのある背中を眺める。

段差があるからおしり痛いよ、
と祐ちゃんがやんちゃな声を出す。
でも痛くないようにしてくれることを私は知っていて
段差がちょっと楽しみになる。

2004年10月16日(土)
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